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借地権の買い取り〜都市再開発による立ち退きの発生

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【借地権のマンションやアパートはどうなるか?】

 

基本的に、建物を所有する大家さんの経済状況や、事情に左右される事が多いでしょうが、想像できる事はあります。アパートにしてもマンションにしても建物が古くなってくると、メンテナンス等に費用がかさんできます。

 

ましてや、建替え等の話になってきた場合、普通の住宅規模よりはるかに大きい為、費用が尋常ではありません。その上、借地権の場合には「承諾料・更新料」の問題があります。

 

結果的には、個人の「地主・借地権者」の間での解決が難しいケースが多いと想像できます。「地主・借地権者」合わせての不動産業者などへの売却などが多いのではないでしょうか。建物の老朽化が酷く、耐用年数などの問題と合わせ、裁判所に認められれば「立ち退き料が少ない立ち退き」も予測されてきます。

 

東京の都心部など、昭和40年代に建築された「マンション・アパート」などがたくさんあります。
建物の立地の良いものや、敷地が広いものなどは「大手不動産業者・建設会社」等が介入して「再開発」などをする事も考えられますが、限られた一部でしょう。現に「六本木ヒルズ」「アークヒルズ」等はその一例になっています。東京では、そういった企画が沢山あるようです。

 

そう言った場所に、以前から住んでいる方なら、立ち退き費用などを貰える事もあるかもしれませんね。注意しておきますが、今からそんな場所を探して「賃貸物件」に住もうとしても、現在は「定期借家契約」が整備されていますので、徒労に終わりますのでやめましょう。

 

今後も、都市部では再開発や建替え等が計画されることが予測されます。特に「駅に近い・近くに道路幅の広い公道がある・昔ながらの軒を連ねるような古い街並み・家の間の道路が車が通れない幅」この様な条件がそろっている地域は、再開発などが企画される公算が大きいです。その時は、環境が大きく変わってきます。

 

【都市再開発の旨み?(地上げ?)】

 

「都市再開発」って聞くと、一般の方々は「自分には関係ない話だな〜」なんて思いがちでしょう。
実は、大体が「民間企業と協賛して」行われています。その民間企業と言うのは「大手不動産業者」が大半です。

 

完全に民間だけで行われるものもありますが、大規模な開発になると「建築基準法、都市計画法などの緩和等」が必要になりますから、行政とスクラムを組むんです。もちろん、行政側にも「人口の増加、税収UP、街並みの改善、イメージUP」等とメリットがあります。でも、これだけではありません。再開発の知られざる「旨み」があるんです。

 

官主導にしても、民間主導にしても、共通する事があります。それが「地上げ」です。簡単に言えば、そこに住んでいる方に「お金などの保証」をして、立ち退いてもらう事をいいます。そうした企画をする上で大切なのが、大きな土地面積と「借地権」の割合です。

 

例えば、○○町△丁目の◆◆番地の一街区全部くらいの面積があって、建っている建物の借地権の割合が8割ぐらいあるとベストでしょう。何故「借地権」が含まれている方がいいかと言えば・・・。「土地も建物も自分の物」という土地を「売ってください!」と言っても、通常でしたら半分も買えないでしょう。それでは成り立ちません。

 

しかし「借地権」が絡んできた場合、話は変わってきます。地主さんも、借地権者も基本的に困っています。

 

・地主さんは:自分の土地なのに使えない。
税金だけは、しっかり払わされる。その土地が、いつ返してもらえるか不明。大体が、借地権者と揉めている。(地代の値上げや更新料、建替えの承諾など)

 

・借地権者側:永遠に地代を払い続ける。
建物の増改築・建替えに、地主の承諾が必要で揉める。(承諾料など)土地を所有していないので、金融機関の融資が受けられない。契約の更新の際にも、金銭がらみで揉める。(更新料など)相続の際も、上記の問題が付いて回る。

 

という様に、解決できない問題を抱えています。借地権が付いている土地を売りに出したところで、購入者はほぼいません。

 

反対に、借地権を売りに出しても購入者が居ない訳ではありませんが、購入層は非常に少ないです。
その上、借地権を購入しようとする方は「建替えの承諾や更新の保全」などを要求してくるでしょうから、更に難しくなります。

 

要するに「地主さん=買ってくれる人がいるなら売ってもいい」と思っている方が多いですし「借地権者の方=自分が持出無しで、借地権では無い自宅が持てるなら…。」という状態が普通ですし、説明すればほとんどの方々がそうなります。この様な区域を「再開発の対象地」にするわけです。

 

それで「旨み」の話に戻ります。こういった土地を買い進めていく場合、いくらでもお金を出すわけではありません。それぞれの、土地の要件にかなった『適正価格』で買い進めて行きます。

 

その価格は、何の影響を受けるかと言いますと「ズバリ、道路」です。道路幅員の広い道路に面している土地は「高額」になります。道路がいい加減(細ーい路地でかろうじて接している・道路との間に他人の土地がある)等の場合「とても安い値段」になりますが、そこを査定通りの値段で戦略的に買い進めていきます。

 

そして、全部の土地を買ってしまうと、土地はいつの土地になり、全ての土地が大きな道路に接する高い土地になるのです。これを「含み益」なんて呼んでいますが、こんな仕組みです。

 

こんな話をして来ましたので、もう一回次回に「地上げの」手法や戦略をお話しちゃいます。

 

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