不動産投資家というよりは街の“大家さん” 「大家も入居者も地域社会も」みんなの幸せを願う大家の会
ウチコミ!タイムズ編集部
2021/02/10
2019年春に発足した『北関東大家の会』。「利益だけを追求しない」「誰かを悪者にしない」「不動産投資を楽しむ」という理念を掲げ、群馬・栃木・茨城を中心とした大家が参加している。15歳から賃貸経営に関わり、25年間携わった教員時代など、さまざまな経験を積んできた同会代表の大城幸重さんは、群馬県高崎市を中心に賃貸経営を行っている。自身の経験談や、北関東大家の会に込める想いを聞いた。(聞き手・文/向園 智子)
――賃貸経営を始めたきっかけを教えてください。
私が15歳のとき父が他界し、その後は祖父が父親代わりとなって私を育ててくれました。その祖父が賃貸業を営んでいたため、父が亡くなった後、学校が休みの日に祖父の手伝いをするようになったことがきっかけです。
私の家は農家でもあったので、祖父の手伝いとして朝4時半に起きてまずは田んぼの除草作業です。そして、賃貸業に直接関係する部分では、家賃回収や簡単な修繕、草むしりなどをやっていました。古い長屋式の貸家で、いまのように管理会社に任せるような時代ではなかったので、賃貸業のさまざまな仕事をそのときに覚えていきました。
当時、古くて汚い物件に住み、家賃を滞納する入居者さんの部屋は、モノがあふれていたり乱暴に扱われていたりすることが多かったです。そういったこともあり、祖父の物件を建て直すときは、「きれいな物件」にしたいと潜在意識に刷り込まれていました。そして、今は、住む人の暮らしや地域のことも考えた、本当に住み続けたくなるデザイナーズ物件を創っています。
私は、不動産投資家というよりは街の“大家さん”なんです。そして、教員をしていたこともあり、街に住む人たちの子育てを支援することも自分の仕事だと思っています。日本の未来を創る子どもたちが快適に暮らせる住宅を考えたとき、そこには親御さんのあふれる笑顔があることが大事です。そういった住宅ですくすくと子どもたちが育っていってほしいと願っています。つまり、住環境を整えることは、子どもたちの成長の源になる。だから、ファミリー向けのきれいなデザイナーズ物件にこだわっているんです。
大城 幸重(おおしろ ゆきしげ)/1968年群馬県生まれ。株式会社クレセール代表取締役。北関東大家の会代表。新築デザイナーズ賃貸プランナー。賃貸不動産経営管理士。ファイナンシャルプランナー。15歳のときに、祖父が経営する長屋式貸家の清掃と家賃回収の手伝いを始める。大学卒業後は、小学校と中学校の教員を25年間勤める。2017年に退職、賃貸経営を専業にする。東京、京都、北関東、海外などの国内外に不動産を持ち、群馬県高崎市を中心に9棟35室を経営。太陽光発電も13基所有している。
――北関東大家の会はどのような会ですか。
私は、大家も入居者も地域社会も、みんなが幸せになる大家業を目指しています。会の理念である、「利益だけを追求しない」「誰かを悪者にしない」「不動産投資を楽しむ」ことに共感してくださった大家が集まっています。月1回、勉強会を行っており、北関東だけではなく、さまざまな地域からの参加も増えています。
大家でないと分からないことや想いはたくさんあります。友人や同僚には、なかなか相談しにくいですが、この会なら同じ想いで話せる人がいる。みんなが気軽に話せる駆け込み寺にしたいと思っています。
――どのような会員さんがいらっしゃるのでしょうか。
これから大家を目指す人からベテランまで、さまざまな方が参加しています。
――会員になりたい方や、検討している方へ一言お願いします。
私は、住む人の満足度が高い住まいなら、その街への印象もよくなる。そうなれば街も良くなる。そんな街を造る種まきをしたいと考えています。同じ想いを持ち、切磋琢磨できる仲間であれば大歓迎いたします。ぜひご参加ください。
――ありがとうございました。
【北関東大家の会】
・設立:2019年
・エリア:群馬・栃木・茨城を中心にする関東地方一円
・会員数:約160名
・年会費:なし(勉強会は1回3000円程度かかります)
・北関東大家の会HP
この記事を書いた人
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