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引っ越しで「うつ」になる? 引っ越し・意識されにくい4つの「要注意」

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3月、4月は引っ越しの件数がピークの季節

2月も末を迎え、間もなく3月。引っ越しシーズンだ。

下のグラフを見てほしい。これは国土交通省が1月に行ったリリースの中に掲げられているものだ。公益社団法人全日本トラック協会による調査結果を示したもので、1年のうち、3月、4月に行われる引っ越しの数が圧倒的に多い。


(国交省 報道発表資料「引越時期の分散に御協力をお願いします!」より抜粋、引用)

さらに、国交省からは「2024年引越混雑予想カレンダー」なるものも提示されている。「トラブルのないスムーズな引っ越しのため、ピークの時期での引っ越しの集中を避け、分散にご協力いただきたい」と、いうのがその主旨だ。“協力”できそうな方は、参考にされるとよいだろう。


(抜粋、引用元は上のグラフに同じ)

1.結構大事。ケガの予防

では本題となる。あまり意識されにくい、表立ってアドバイスもされにくい、引っ越しでの隠れた(?)要注意をお伝えしていきたい。

まずは「ケガ」だ。

荷造りや家具の移動など、普段はやらない力仕事や、全身を使った作業が増える引っ越しでは、とかくケガをしやすくなるものだ。

よく聞かれるのがこの2つ。

  • 重いものを持ち上げてのギックリ腰など、筋肉、関節系のトラブル
  • ハサミやカッターナイフでの切り傷

このうち、前者の予防のためには、作業前のストレッチなど、準備運動が効果的という人も多い。やっておくに越したことはないだろう。

また、当然ながら、重いモノを無理に持ち上げようとしないことや、重すぎる荷物をこしらえない工夫も大事だろう。大きなダンボールに本ばかりを詰め込んだり、タンスを中身の入ったまま運ぼうとしたり……自らの手に負えない仕事を自ら作り出すのは避けておきたい。

さらに、刃物の扱いだ。

慌てた作業をしないのはもちろんのこと、特にカッターナイフでの「刃の出しっぱなし」は絶対にやらないこと。使うごとに必ずひっこめよう。

ほかにも、家具を倒してしまったり、ガラスや食器を割ったり、頭や体をぶつけたり、手や指を挟んだりと、引っ越し作業はケガの温床だ。余裕をもって、慎重に進めることを心がけたい。

2.粗大ゴミ等。早めの手配を忘れずに

引っ越しの際に出がちな、要らない家具などの粗大ゴミ。さらには、廃棄する場合の委託先が定められているような特殊なゴミ。これらを引っ越し日が近づいてから処分しようとすると、大抵、大慌てすることになる。

申し込みから引き取りまでに、時間を要することが多いのだ。特に、3、4月の引っ越しシーズンは依頼が集中しがちなため、普段に増して長い期間待たされる可能性が高くなる。

そこで、仕方なく広告などをあてに業者に問い合わせてみたところ、料金の高さにビックリ!のケースも少なくない。

困った挙句、ゴミ置き場等にそれらを放置して立ち去る人も、時々現れることになるわけだ。

アパートや賃貸マンションであればオーナーや管理会社、公共の集積場であればご近所の方が、手間や費用をかけ、これを処理しなければならなくなったりもする。もちろん、とんだ迷惑行為だ。

そんなことが起きないように、引っ越しが決まったならば、特別な処分が必要なゴミについては、早急に手配を進めることだ。

放置し、誰かに損害を負わせた場合、賠償を求められるケースももちろん無くはない。

3.作業で物件を損壊! 正直に報告を

アパートや賃貸マンションなど、賃貸住宅での引っ越しでは当たり前のことだが、その作業現場は「他人の持ち物」である部屋や建物となる。

つまり、それらは、持ち主=オーナーの大切な財産なのだ。そこで気をつけたいのが、物損事故となる。

壁に家具をぶつけて穴を開けてしまったり、重い物を床に落として傷付けたり――。そんなアクシデントが、準備作業中も含め、引っ越しの際は特に起こりやすい。

これらは、プロが作業をしていても避けられないものだ。そのうえで、素人はさらにリスクが高い。引っ越し業者に頼まず、レンタカーを借りて家族や友人のみに手伝ってもらいながら引っ越しをする場合など、特に用心しておきたい。

それでも、事故を起こしてしまったら?

隠さずに、すぐにオーナーや管理会社に連絡することだ。隠しておいて、あとでバレるようなことがあると、極めて印象がよくない。

保険で損害がカバーされる場合もあるので、「やってしまった」際は、何より正直が一番だ。

4.引っ越しで「うつ」になる? 風邪などの病気にも注意

引っ越しのあと「うつ」の症状が出る人も時々現れる。「引っ越しうつ」などといわれるものだ。

引っ越しは、心身両面での大変な重労働だ。

転出・転入に関わるさまざまな手続き、諸々のスケジュール……。

荷造りなどで体力を奪われたあとは、勝手の分からない新たな環境での生活がスタート……。

そんな、頭もカラダもフル稼働の日々が過ぎ去ったあと、ふと緊張の糸が切れ、元気を失ってしまう人が出るというのも無理のない話といえるだろう。

この「引っ越しうつ」が起きてしまった場合の対策としては、「しっかりと睡眠をとること」や「軽い運動を心掛ける」など、巷にはいろいろアドバイスもある。

そのうえで、もうひとつ大事なことは、

「引っ越しのあとにはこうした症状が誰にも起きうる」

――そのことを事前によく知っておくことだろう。予期せぬトラブルを想定内のものとしておくことで、落ち着いた対応がとれる可能性も高まるはずだ。

こんな話もある。

「引っ越しのあと、重い風邪を引いた。なかなか治らない」

「引っ越ししてから体調が悪い」「病気しがちだ」――。

そのため、新しい家や部屋に、何かオカルト的な原因が隠れているのではないかと気に病んでしまう人も、なかにはいたりする。

だが、冷静に考えれば、これらも「引っ越しうつ」とおそらく同様だ。引っ越しにともなう心身の疲労から生じているものである可能性は高い。

気が晴れるのならば、「お祓い」や「お清め」もいいだろう。

しかしその前に、引っ越しは自覚されにくいが心身の重労働であることをよく理解しておくのが肝要となる。

(文/賃貸幸せラボラトリー)

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この記事を書いた人

編集者・ライター

賃貸住宅に住む人、賃貸住宅を経営するオーナー、どちらの視点にも立ちながら、それぞれの幸せを考える研究室

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