環境アレルギー対策で、さらに健康増進! 第11回 「アレルギーの予防は分類を知ることがカギ」
加藤 美奈子
2020/12/17
イメージ/©︎canerciftci・123RF
「アレルギーの分類」を知ることが大切
今、2人に1人はアレルギー患者と言われている世の中ですが、実際に自分がアレルギー体質なのかを知ることが大切です。検査をする前に「アレルギーの分類」について知ることは大切な情報源であり、予防にも繋がります。
アレルギーとは、「免疫」反応が特定の「抗原」に対して「過剰」に起こることをいいます。
免疫とは、アレルゲン、細菌、ウイルスなど病原体が体に侵入すると抗体をつくり、それらを排除し、体を守ってくれるのが免疫という仕組みです。また、抗原とは細菌、ウイルスなどの異物をいい、特にアレルギー反応を引き起こす抗原をアレルゲンと呼びます。
アレルギー発症の仕方は、Ⅰ型~Ⅳ型の4種類に分類されます。
Ⅰ型は、私たちのイメージする身近なアレルギーです。花粉や気管支喘息、食物アレルギーなどで起こる急性症状(アナフィラキシー)です。
Ⅰ型は、IgE抗体が関わり、その数が多いほど症状が出やすくなります。理由はIgE抗体は、体内に侵入したアレルゲンと結合しようといつでも、肥満細胞でスタンバイし、アレルゲンが侵入するたびに、肥満細胞からヒスタミンなど化学物質が出され、血液や神経に刺激を与え、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、皮膚のかゆみなどを発症します。発症までの時間が約15分~2時間以内に症状が現れることが多いです。
血液検査だけでアレルギーの診断はできない 医師の問診が重要
もし、あなたが1年中鼻づまり、鼻水がある場合、一度血液検査をしてみるのはいかがでしょうか?
IgE抗体の量が多いとアレルギー体質なのかが分かります。ここでポイントは、血液検査だけでアレルギー診断はできません。医師の問診がとても重要となります。ほかに皮膚テスト、経口負荷試験などいろいろな検査があります。私の場合、血液検査は異常ない数値でしたが、毎年スギ花粉症の時期は皮膚症状がでます。
診断がきちんとできる病院を選んで相談しましょう。アレルギー専門医のいる病院はお勧めです。
Ⅱ型とⅢ型は、自分自身の細胞、組織に対して過剰に防御反応を起こしてしまうことです。病名は、自己免疫性溶血性貧血(Ⅱ型)、膠原病(Ⅲ型)などあり難病指定です。ここでは詳しくは解説しません。
Ⅳ型は、金属アレルギーの接触性皮膚炎、ツベルクリン反応などあります。
Ⅳ型は、遅延型アレルギーと呼ばれるもので、Tリンパ球からリンホカインが放出され24~72時間後に反応が現れるアレルギーです。
このように、アレルギーといっても単純ではなく、即症状にでるものと、ゆっくり症状出るものがあります。特にⅣ型は学会で大変注目されていますので今後いろいろ解明されていくことでしょう。
最後に皆さんにメッセージです。
今、アレルギー症状が無くても、だんだん体質が変わり発症することがあります。特に、皮膚、鼻や喉の中に、傷があったり、皮膚がかさかさの方は、バリア機能が低下しているのでアレルゲンが入りやすいため、アレルギー発症にならないように今から予防に心がけましょう。それは、つるんと綺麗な粘膜になるようにメンテナンスをしっかりし、困ったら早めに耳鼻科、皮膚科、小児科、眼科など病院に行き診てもらいましょう。
参考文献/一般社団法人 日本環境保健機構「環境アレルギーアドバイザー試験公式テキスト」
この記事を書いた人
春日井環境アレルギー対策センター 代表
子どもがアレルギー起因の喘息で入退院を繰り返した経験から、2011年にアレルギーをもつ子どもの育児をサポートする任意団体を設立。2018年、春日井環境アレルギー対策センターを設立し、健康住宅建築や既存建築物の空気質測定、室内空気環境品質検査認証などを中心に事業展開。アレルギー患者を一人でも減らすべく日々活動している。資格:看護師、環境アレルギーアドバイザー、シックハウス診断士