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塗布面積と塗料の耐久性

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■性能に関わる塗布面積

 

1㎡当たりどれだけの量を塗れば適切な塗装になるのかを示した目安の数字が塗布面積です。塗布量、使用量、所要量などとも呼ばれます。例えば塗料のカタログには、

使用器具/ウールローラー
回数/1
標準塗布量(kg/㎡)/0.6〜1.0

などと記されています。1缶当たり何㎡、と記されている場合もあります。

 

ちょっと乱暴な言い方をすれば、DIYで作る犬小屋や家具ぐらいであれば、塗布面積はあまり重要ではないかもしれません。塗り終わった時が塗装完了、足りなければ買い足す。目的とする物がきちんとできればそれでいいわけです。

 

しかし、プロの塗装業者の場合は違います。そもそも、塗料は適正な塗布面積を守ることによってメーカーが提示する耐久性(耐用年数)に近づきます。逆に言えば、適正な塗布面積を守らなければ、塗膜の耐久性は落ちてしまうのです。塗膜の厚さが変わってしまうから、と言い換えてもいいでしょう。薄すぎれば当然塗膜の効果は薄れますし、厚すぎれば割れてしまったりするのです。

 

もっとも、適正な塗布面積を守るのは意外と大変です。下地が劣化していたり、太陽光にさらされる外壁や屋根だったりすると、下地が塗料を吸い込みやすくなるので、塗布量が増えます。このため2回重ね塗りすることを推奨する下塗り材があるのですが、下塗りがしっかりしていれば上塗りの塗料に関しては標準の塗布面積を守って塗ることが可能になります。

 

下塗りが中途半端ではこうは行きません。だからこそ完成すると見えなくなる下塗りが大事なわけです。

 

■塗布面積と塗料代

 

もう一つ、プロが塗布面積を大事にしなければならない理由は、塗料代と密接に関わってくるからです。例えば、塗料を塗りやすくするために薄めることを希釈、希釈液の割合を希釈率と言いますが、故意に希釈率を高くするとどうなるでしょう?

 

同じ量の塗料を使っても、塗料が薄まった分、量が増えていますから、より広い面積を塗ることができます。見た目も、塗布面積を守った場合と変わりません。めでたしめでたし!……とはなりませんね。塗膜が薄くなっているのですから、当然耐久性が落ちるわけです。しかし、塗装業者にしてみれば、必要な塗料を節約できたわけですから、コスト削減に成功したことになります。

 

まともな塗装業者なら、こんなことはしません。建物の壁や屋根の面積をきっちり計算して、必要な塗布面積を割り出して見積もりを出し、作業でも使用手順書を守ります。

 

他にも、窓やドアなど塗装の必要のない面積を除外せず、建坪だけで塗装面積を割り出す業者も存在します。この場合は塗料代が浮くだけでなく、計算の手間も省けるわけですが、こちらにしてみれば余計な出費をすることになります。

 

実は、塗装する面積がどれくらいになるのかは、素人であっても調べることが可能です。面積を割り出せば、塗装に必要な塗料の缶数がわかりますので、契約前に何缶が必要になるのか見積もってもらい、自分で計算した量と比べてみても良いでしょう。

 

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