火災警報器の見分け方! 誤作動したときの対処法は?
ながれだ あかね
2019/06/25
こんにちは。ながれだ あかねです。みなさん、お住まいの天井にこんなものがついていませんか?
これは「住宅用火災警報器」です!
わたしの自宅のキッチンの天井にもこれがあります。焼き芋を焦がしたときモクモクと煙が部屋中に充満したのですが、火災警報器が鳴りませんでした!そのときは「ああ、よかった〜!」とほっとしたのですが。
「なんで鳴らなかったの!?非常事態のときやばくない?」
と気づき、それからモヤモヤ。じつは「住宅用火災警報器」にもいろいろな種類があったのです。今回は意外と知られていない「住宅用火災警報器」と「自動火災報知設備」の仕組みについてご紹介します!
1.それ自体が感知して&警報を鳴らす「住宅用火災警報器」
「住宅火災警報器」は、火災による熱や煙を利用して、自動的に火災の発生を感知する!そして感知器そのものが警報を鳴らすのだ! 戸建やアパートなどに付けられることが多い。
住宅用火災警報器が鳴って、もし「火災」だったら・・・。
火災だった場合は、速やかに消火活動に移る。天井に火が届きそうなときは諦めて避難、速やかに消防署へ連絡をする!
また住宅用火災警報器の場合は、自室(個人宅)にしか聞こえていない可能性が高いので、大きな声で「火事だー!」と叫び、自分の家だけではなく周りの人にも知らせよう。
2.それ自体は感知して通知するだけ! 「自動火災報知設備」
「自動火災報知設備」とは、建物のどこか一箇所で火災が発生した場合、警報システムに信号が送られて警報を発することができる。
「自火報(じかほう)設備」とも言われる。たとえば101号室で火災を感知した場合は、101号室の感知器自体が音を出すことはない。101号室の感知器から、マンションの警報を行う部分へ火災信号が送られてビル全体が鳴るのだ。これは学校や役所、オフィスやマンションなどで使われていることが多い。
自動火災報知設備が鳴って火災だったら・・・。
「養護老人ホーム」や「乳児院」などの一部の場所では、自動火災報知設備と火災通知装置を連動させて自動で119番通報が行われる。
多くのマンションは自動火災報知設備と119番は連動しておらず、自分で119番する!
詳しい消火活動についてはコチラの記事で紹介中!
感知器にも様々な種類があるんだよ。熱を感知するものや煙を感知するもの、炎自体を感知するものもあるんだ。取り付ける場所によって、そこに適した感知器が使われるんだ。
〜熱を感知するもの〜
1.熱せられた空気の膨張率で感知「差道式スポット型感知器」
感知器の周囲の温度が急激に上昇すると、内部の空気が膨張する。膨張の度合が一定比率を超えるとセンサーのスイッチが入って感知器が作動する。
火を使ったりして急激に温度が変化しやすいキッチンの周りでは、誤作動する可能性が高いため使われにくいよ。
2.一定の温度に達すると感知「定温式スポット型感知器」
感知器の周囲の温度が一定の温度に達したときに感知する。
〜煙を感知するもの〜
光と煙のコンビネーション「光電式スポット型感知器」
常に受光部は影に隠れていて光があたらないようになっているのだが・・・。もし煙が感知器の中にはいると、光が煙にあたって感知器の中で乱反射する。すると当たらないはずのセンサーに光が当たることで感知できるのだ。※小さなホコリや小さな虫が入ってしまっても光が反射して警報が誤作動してしまうこともある。
その他の感知器は?
煙を感知する「公電式分離型感知器」や、炎を感知する「紫外線スポット型感知器・赤外線スポット型感知器」などがある。ちなみに炎の感知器は、常に湯気がでていたり高温になる特殊な環境で、煙感知器や熱感知器が使えない環境で用いられる。
「住宅用火災警報器」で誤作動の場合
「住宅用火災警報器」が鳴ったら、まず家の中の火元を探そう。火元が見つからなかったり、住宅用火災警報器の誤作動であったことが明らかな場合は、住宅用火災警報器の警報停止スイッチやひもを引くなどして警報音を止めよう。そして、警報がなる原因になった要因を取り除く(たとえば水蒸気や火災以外の煙、感知器に入った虫など)。もし住宅用火災警報器と警備会社への通報が連動している場合は、速やかに問題がないことを連絡しよう。
※感知器にホコリや虫(クモ)などが入った場合は、掃除機などで吸い取る。
「自動火災報知設備」で誤作動の場合
自動火災報知器はマンションで一括管理のため、自分で音を止めることができない。止めるには管理人室などにある受信機を操作しなければいけないが、これも管理人や取り扱いできる人が扱うため触らないようにしよう。(万が一火災だった際、勝手に止めてしまったら大変だから。)
つまり誤って鳴らしてしまった場合は、管理人や消防士に正直に報告しよう。
自動火災報知設備が鳴って消防車が来た場合
→消防士はマンションのどの階で鳴っているかを確認後、火災の有無を確認する。もし誤って自分の部屋で鳴らしてしまった場合は、速やかに伝えよう!
→火災じゃないことが確認できたら、消防士が警報を止める。(一度止めたのにもう一度鳴った場合は火災の危険性があり。)
いかがでしたでしょうか。
身近にあるけれど、普段あまり触れる機会がない「住宅用火災警報器」と「自動火災報知設備」。
いろいろな種類の感知器があることを知ると、「自分の家にはどんなものがついているんだろう?」「これから借りる部屋には、防災設備があるのかな?」などと気になってきますね。
(絵・文/ながれだあかね)
【この記事を読んだ人はこちらも読んでいます】
崩れた部屋に閉じ込められても、そばに家族はいない…賃貸一人暮らしの「防災」心得
この記事を書いた人
イラストレーター・ライター
武蔵野美術大学芸術文化学科卒業後、幼児教室にて絵の講師、不動産インターネットメディア事業「ウチコミ!」の広報部を経て、独立。現在はイラストレーター・ライターとして活動中。「お部屋探し」をテーマにした四コマ漫画を始め、似顔絵、結婚式のウェルカムボード、音楽をテーマにした作品を制作。水彩画を中心とした絵を描く。趣味はラジオと落語を聴くこと。 イラスト等のご依頼・ご相談は、下記URLのContactよりお気軽にお問い合わせください。 ながれだあかね 公式ホームページ https://nagaredaakane.morutto.com/