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賃貸・ゴキブリはこんな物件で特に出る

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賃貸生活はゴキブリに弱い?

春が過ぎ、梅雨、そして本格的な夏。暑い季節になると、賃貸住宅の住人を少なからず悩ませるのがゴキブリだ。

え? 賃貸だけの話じゃない?

もちろん、そのとおり。ゴキブリは、賃貸だろうが持ち家だろうが分け隔てなく現れる。当然ながら、彼らに両者の違いが分かるわけでもないだろう。

ただし、思い出してみよう。

持ち家に、ワンルームや1Kはほとんど無いが、賃貸の場合は違う。狭く小さな間取りが目白押しだ。

すると、どうなるか?

たとえば、生ゴミのにおいに惹かれ、キッチンに出現したゴキブリ。そこがワンルームだと、人間の寝床は目と鼻の先だ。

ベッドルームに出た―――! に等しいかたちとなる。

「殺虫剤を急いで取りに行っているうちに姿が消えた。もう夜中だ。どこか近くに潜んでいるのかと思うと、怖くて眠れない……!」

そんなパニックも、賃貸ではより生じやすいというわけだ。

100%「出ない」はほとんど無理

そこで、話を進めよう。

いまからこの記事では、「ゴキブリが出ない部屋」「出にくい部屋」を追求する多くのガイダンスとは切り口を変えて、ゴキブリが高確率で出る物件や部屋の条件を挙げていく。

なぜなら、彼らが100%出ない建物を見つけるのは、一部の寒い地方などを除いて、国内ではおそらく無理だ。しかしながら、その確率を下げることは可能だからだ。

そのために、ゴキブリがよく出る物件・部屋の条件を学んでいこう。

高確率でゴキブリが出ると予想される条件――4例と、それに次いで出やすいと思われる2例を以下に挙げていきたい。

なお、これらは、不動産管理会社、仲介会社のスタッフや、賃貸生活が長いベテラン入居者へのヒアリングを参考にピックアップ、考察したものだ。

高確率でゴキブリが出ると予想される物件・部屋の条件


1.汚部屋がある建物

ゴキブリが出やすい条件の、まさに筆頭と言えるのがこれだろう。

ゴミ屋敷化したいわゆる「汚部屋」を巣にして、彼らが、数百、数千匹単位で繁殖し、周りの部屋に次々侵入――といった、すさまじい事例もある。ゴキブリと顔を合わせたくないならば、「同じアパートやマンション内に汚部屋がある」は、何より避けたい環境だ。

とはいえ、汚部屋の存在を入居前に100%見逃さず、発見するのは難しい。だが一方では、案外容易に見つかることも多いのが汚部屋だ。

なぜなら、そうした部屋のベランダやテラスには、部屋からあふれたモノがうず高く積まれていることが多い。さらに、玄関前も似た状況となっているケースもある。窓を見れば、内側がモノでギッシリ埋まっている様子が分かることもある。よって、内見に訪れる際は、これらに極力注意を怠らないことだ。規模の大きな建物や、ベランダや窓が周りからの死角に入っている部屋がある場合、なかなか全てのチェックは難しいが、ともあれ、努力はしておきたい。

加えて、物件を案内してくれた不動産会社のスタッフに、「この物件にそういう部屋は存在しないか」と、尋ねるのも効果的だ。先方がもしも知っていれば、のちのちのトラブルを避けるためにも、正直に答えてくれる場合がほとんどだろう。

2.衛生管理の悪い飲食店が入った物件

汚部屋が存在するケースに次いで、ゴキブリの頻繁な出現や、大量発生したとの声を聞くことが多いのが、内部に飲食店が入った建物だ。とりわけ、衛生管理の悪い店があると、悲劇的な結果が生じたりもする。

一例を挙げよう。あるマンションで、「ほぼ3日に1度は出現。多いとその日のうちに3、4匹出たりもする」といった、かなり深刻な状況に至ったケースでは、そこの1階でいわゆる「行列店」が営業していた。客が多く、多忙なため、つい仕事にかまけてしまい、害虫対策がおろそかになっていたようだ。

なお、どんなジャンルの飲食店が入った物件で事例が多いのかと問われると、傾向はあるがここでは答えにくい。特定の業態に対する印象を下げることにもなりかねないからだ。読者の目や想像力、洞察力に頼りたい。

3.低層階の部屋(特に1、2階)

賃貸、分譲に限らず、集合住宅をいくつか住み比べたことのある人ならば、多くが経験していることだろう。「ゴキブリは低層階ほど出やすい。高層階になるほど出にくくなる」と、よく言われる。

これは、基本として事実のようだ。そのため、最も地べたに近い1階での居住を経験した人にあっては、「住んでいる間、一度も見たことがない」との声を見つけるのがなかなか難しい。さらに、2階もそれに近い印象だ。

なので、ゴキブリに出会う確率を下げたいのならば、なるべく高層階に暮らすことだ。多くの物件で、階を昇るごとにたしかに目撃例は減る傾向にある。10階を超えて高い部屋となれば、「ここに住み始めてから一度も姿を見ない」との声が、かなり多く聞こえてくるようになる。

ただし、そんな状況も、さきほど挙げた汚部屋の存在など、ほかの条件によって当然変わってはくるだろう。

4.「出る」建物が隣接する物件

汚部屋や、ゴキブリの発生源となりうる飲食店が同じ建物内に存在しなくとも、それらが隣に建っていたり、すぐ近くにあったりする場合は、条件が一気に厳しくなる。

発生源が同じ屋根の下にあるケース同様、「頻繁に出る」「大量に出る」状態となることが少なくない。つまり、内見の際は、目当ての物件だけでなく、周囲の建物にもしっかりと気を配っておいた方がいい。

集合住宅ではないが、ある一戸建ての住人が、「しょっちゅうわが家へ飛んでくるので、外で洗濯物が干せない」と、悩んだ事例では、狭い道路を挟んだ向かいの賃貸マンションに、ゴミでうずまった部屋があった。

また、周囲のほとんどを空き地に囲まれたあるアパートで、頻繁に出現したケースでは、一棟だけ接していた古い一戸建ての庭や縁側が、野良猫の餌付け場所となっていた。食べ物カスが大量に散らばり、常時、悪臭も漂っている状態だった。

上記1~4に次いで「出やすい」と思われる条件

5.「24時間ゴミ出し可」の物件

「24時間ゴミ出し可」は、アパートやマンションの住人にとって、ひときわうれしい条件だ。だが、これが裏目に出ることもある。生ゴミなども含んだ多くのゴミが、一定の狭い場所に常に置かれることが多いため、そこがゴキブリの餌場になりやすい。

その点、分譲マンションならば、常駐または日勤の管理人がいるなどするため、対策もしっかりととられることが多い。収集庫内にゴキブリが侵入したり、中で増えたりしないよう、日常の業務として、手が尽くされたりもするわけだ。

だが、賃貸だとなかなかそうもいかない。多くの物件で、ゴミの管理はどうしても手薄になる。そのため、ゴミ収集庫や収集ボックスが、まさに餌場となってしまうことも少なくない。なおかつ、これらは通常、建物の入り口近くにあるため、「エントランスで姿をよく見かける」「1階の廊下や部屋に侵入してくる」と、いった事態も起こりやすくなるわけだ。

よって、彼らとの出会いを避けたい人は、24時間ゴミ出し可能な収集庫や収集ボックスが置かれた物件に住む場合、部屋はできるだけそこから離れたところを選んだ方がいいだろう。

6.築年数の古い物件

単純に、「建物の築年数が古くなるほどゴキブリは出やすくなる」と言われる。これは、多くの人が実感値として語るもので、おおむね事実と言えるだろう。

であれば、彼らと出会いたくない人は、新築か、なるべくそれに近い新しい建物を選ぶことで、その確率を下げられるはずだ。「高層階を選べ」と似た、分かりやすい対策ともなるだろう。

ただし、この逃げ道は、ほかの条件によって簡単に塞がれやすい傾向も持つようだ。

たとえば、先ほど挙げた「隣に『出る』建物がある」――環境によって、ほぼ新築の新しい物件だったにもかかわらず、住人が大いに悩まされた例もある。ちなみに、その部屋は1階で、そこも不利な要素だった。

害虫を怖がって、別の「害虫」を家に招くな!

最後に、付け加えておこう。

この4月末、独立行政法人国民生活センターが、「害虫・害獣駆除のトラブルにご注意――」と題して、注意喚起を行っている。

詳しい数字なども含め、下記で内容を確認できる。ぜひ、目を通してほしい。

ネットの価格と全然違う!? 害虫・害獣駆除のトラブルにご注意 ―若い年代でトラブル急増中!―(国民生活センター・報道発表資料)

簡単にまとめると、近ごろこういうことが起こっている。

  • 自宅にゴキブリなど、害虫、害獣が出たため、慌ててインターネットを検索。駆除するための料金として、格安な金額を掲げている業者を呼んだところ、ネットの表示とはかけ離れた「高額請求」をされたとのトラブルが増えている
  • 10~20歳代の若者が被害者となるケースがとりわけ急増している

ゴキブリの出現に慌てるあまり、とんだ別の「害虫」を家に呼び寄せてしまうことがないよう、ぜひ注意したい。

(文/賃貸幸せラボラトリー)

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賃貸住宅に住む人、賃貸住宅を経営するオーナー、どちらの視点にも立ちながら、それぞれの幸せを考える研究室

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