無料インターネット強し! 注目の新項目も…「2020人気設備ランキング」
ウチコミ!タイムズ編集部
2020/10/27
文/朝倉 継道 イメージ/©︎ra2studio・123RF
10月19日、全国賃貸住宅新聞が定例の「2020人気設備ランキング」(調査期間:8月27日〜10月5日)を発表した。これは「全46種の設備から、人気のものを不動産賃貸会社372社に選んでもらった」結果のランキングとなる。
本ランキングは以下のような構成となっている。
■この設備があれば周辺相場より家賃が高くても(入居が)決まる
~「単身者向け物件」部門
~「ファミリー向け物件」部門
■この設備がなければ(入居が)決まらない
~「単身者向け物件」部門
~「ファミリー向け物件」部門
いくつか、トピックをピックアップしてみよう。まずは、「インターネット無料」だ。「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても決まる」ランキングにおいて、単身者向け物件、ファミリー向け物件、いずれの部門においても1位となった。
出典/全国賃貸住宅新聞社「2020人気設備ランキング」〜この設備があれば周辺相場より家賃が高くても決まる〜
そこで、続く2位、3位も併せて見てみると、
単身者向け物件
2位「エントランスのオートロック」
3位「宅配ボックス」
ファミリー向け物件
2位「宅配ボックス」
3位「エントランスのオートロック」
両部門で同じ顔ぶれがTOP3を分け合っている。
一方、「この設備がなければ決まらない」ランキングでの単身者・ファミリー両部門を見ると、上記3つの設備には次のような差が。
出典/全国賃貸住宅新聞社「2020人気設備ランキング」〜この設備がなければ決まらない〜
「この設備がなければ入居が決まらない」~単身者向け物件
「インターネット無料」…3位
「エントランスのオートロック」…6位
「宅配ボックス」…8位
「この設備がなければ入居が決まらない」~ファミリー向け物件
「インターネット無料」…6位
「エントランスのオートロック」…9位
「宅配ボックス」…11位
すなわち、「インターネット無料」は、「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても決まる」、「この設備がなければ決まらない」、いずれにおいても強い結果となっている。
とりわけ単身者向け物件では、無料インターネットは、「もはや必須的な設備でありつつ、他物件との差別化にも有効」であることが見てとれる。
ここからは憶測になるが、仮に「テレビのアンテナ端子はあるが、無料ネット回線は引かれていない物件」、もしくは「無料ネット回線は引かれているが、テレビのアンテナ端子が無い物件」を選ぶとしたらどちら? と単身入居希望者に尋ねてみるとする。おそらく、その答えは、「無料ネット回線有り・テレビのアンテナ端子無し」が数字を伸ばすだろう。アンテナ端子がなくともネット回線さえあれば、テレビ画面にYou TubeやアマゾンのPrime Video、Netflixなどの映像コンテンツを映し、楽しむことができるからだ。
次に、「この設備がなければ入居が決まらない」のTOP5までを見ていこう。
単身者向け物件
1位「室内洗濯機置き場」
2位「TVモニター付きインターフォン」
3位「インターネット無料」
4位「独立洗面台」
5位「洗浄機能付き便座」
ファミリー向け物件
1位「室内洗濯機置き場」
2位「独立洗面台」
3位「追い焚き機能」
4位「TVモニター付きインターフォン」
5位「洗浄機能付き便座」
どちらも1位が「室内洗濯機置き場」であるほか、「TVモニター付きインターフォン」「独立洗面台」「洗浄機能付き便座」がランクインしていることも共通している。
すなわち、単身者向けであろうがファミリー向けであろうが変わりなく、「この設備がないと募集が厳しい」と、仲介・管理会社が見ている代表が、ここに挙がっているといえそうだ。
注目したい設備をもうひとつ。
それは、「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても決まる」の「ファミリー向け物件」部門の中に登場している14位の「遮音性の高い窓」だ。全国賃貸住宅新聞によると、「(今回)アンケート項目に新たに入れた」ものだという。この結果に対して、「賃貸住宅に住んでいると、近隣トラブルで最も多いものに騒音がある。それを解消する設備として人気を集めた可能性が高い」「テレワーク普及で在宅時間が増えたことも、一部で関係しているのかもしれない」と解説している。
今年の新型コロナの感染拡大、いわゆるコロナ禍が、日本の住宅環境の中で掘り起こした大きな課題である「音」が、本ランキングにも反映された結果となった。
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