マンション管理会社と苦情相談の関係
ウチコミ!タイムズ編集部
2017/06/22
■苦情を処理するのは「仲介会社」ではない
マンションに住んでいる人から「ウチの不動産屋は何もしてくれない!」という声をたまに聞くことがあります。しかし、話をよく聞いてみると、的外れなところに苦情を持って行っているケースもあるようです。
マンションに住んでいる方は「不動産会社」として認識しているのかもしれませんが、この場合の不動産会社には2種類あります。「仲介会社」と「管理会社」です。
仲介会社とは、オーナーなどから依頼を受けて賃貸物件の入居者を募集し、入居者を決定し、賃貸借契約を結ぶまでの諸々を請け負う会社です。賃貸借契約を結ぶまでが業務なので、入居した後に「隣の部屋のテレビの音がうるさい」などの苦情を持ち込んでも、ほとんどの場合は対応してくれません。アフターケアは業務外だからです。
もちろん、「契約時に聞いていた話と実際の条件が異なる」など、賃貸借契約を結ぶまでの過程で起きたトラブルには対応してくれますが、仲介会社に一般的な苦情を申し入れても無駄に終わる可能性が高いということ。では、マンションの管理はどこが行うのでしょうか。
比較的小さなマンションであれば、オーナーが管理まで面倒を見ることもあるでしょう(オーナー物件)。しかし多くのマンションでは、管理会社が入っている場合が多いのです。
管理会社は管理組合の代わりにアパートやマンションを管理・維持することが主な業務(中には仲介業務を兼業している会社もあります)。騒音やゴミ出しルールなど、入居後に起こるトラブルに関しては、まず管理会社に問い合わせましょう。
契約内容にもよりますが、管理会社は家賃の集金や物件のメンテナンスまで面倒を見てくれることもあるので、管理組合にとっては頼れる存在。ただし、管理会社によっては管理に問題が起こることもあるので、注意が必要です。
「マンション管理会社の費用」でも書きましたが、管理会社が建設会社の子会社や関連会社の場合、他社と競合することなく管理業務を請け負っていることがあります。すると管理委託費が割高になったり、ライバルがいないことにあぐらをかいて業務がなおざりになることもあるのです。苦情を処理してくれるはずの管理会社が、苦情の対象になっては困りますね。
また、管理会社と結ぶ委託契約には、滞納組合員(住人)に対する督促期間が定められています。その期間を過ぎたら管理会社はお役御免、管理組合が督促を行うことになります。なかには督促期間を短く設定している管理会社もあるので、必ず契約書を確認しましょう。
この記事を書いた人
賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン『ウチコミ!タイムズ』では住まいに関する素朴な疑問点や問題点、賃貸経営お役立ち情報や不動産市況、業界情報などを発信。さらには土地や空間にまつわるアカデミックなコンテンツも。また、エンタメ、カルチャー、グルメ、ライフスタイル情報も紹介していきます。