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賃貸にまつわる広告料の慣習

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■理不尽な業界の慣習

 

不動産賃貸に関わり始めると、仲介手数料や広告費、AD、Bなど、様々な用語が飛び交うようになります。今回は賃貸にまつわる広告料の慣習についてご紹介します。

 

まず、「仲介手数料」について。宅地建物取引業法では、不動産会社が得られる報酬額について次のように定められています。

 

  • 借主が家賃の50%の仲介手数料を支払う場合、貸主からもらえる仲介手数料は家賃の50%まで。
  • 借主が家賃の100%の仲介手数料を支払う場合、貸主からはもらえない。
  • 貸主から仲介手数料をもらわない場合、貸主からもらえる仲介手数料は、家賃の100%まで。

 

100%とは「家賃の1カ月分」ということ。これはわかりやすいですね。

 

ところが実際には「依頼者から特段の広告などの要請があった場合、その広告費などを併せて請求できる」という規定があります。そのため、業界では借主から1カ月分の仲介手数料をもらい、さらに貸主(大家さん)から「広告料」をもらうことが常態化しています。

 

多くの場合、この広告料は1カ月分の家賃と同額。つまり仲介手数料を2カ月分もらっているのと変わりません。中には2〜3カ月分の「広告料」を徴収する不動産会社も存在します。

 

どうしてそんなことがまかり通るのかと言えば、賃貸経営にとって空き住戸を抱えることは大ダメージになるから。入居者を募集する不動産会社に頑張ってもらうために、中には「広告料」を奮発する大家さんもいます。不動産会社が頼みの綱になっているからです。そして不動産会社も、AD(広告費)やB(バックマージン)が良い物件を集めるというのが、これまでの慣習だったのです。

 

ちなみに、これらの不動産収入を最終的に負担しているのは、借主(入居者)です。大家さんも、例えば「敷金:2カ月 礼金:1カ月」の場合、不動産会社が「敷金1カ月分と礼金1カ月分をADとしてください」と交渉してきたとしても、先の事情があるためになかなか断れません。一方、不動産会社は不動産業者向けには「AD100%」と紹介したりします。

 

この場合のAD100%は家賃1カ月分。つまり、残りの1カ月分はまるまる儲けになります。また、広告宣伝も不動産会社が担当しているわけですから、借主を自社で見つければ実際には広告を打たなくても良くなります。

 

さらに借主は「敷金:2カ月 礼金:1カ月」以外に仲介手数料を取られることもある。大家さんの収入は敷金1カ月のみ。後はほとんどが不動産会社の利益となっていたわけです。

 

賃貸の指南をするサイトの中には「広告料を支払わないと空き住戸が埋まりません」といったような指導をする所もあります。しかし大家さんにしてみれば、決して納得の行く状況とは言えないでしょう。

 


【不動産業界の広告費にまつわる記事関連リンク】

不動産賃貸募集の仲介手数料と広告費(略称AD)とは

「おとり広告」「広告費問題」不動産業界変革が起ころうとしています

AD問題/不動産屋さんから入居者募集で「2〜3か月分の家賃」を請求されるケース

敷金・礼金とは? 広告宣伝費として不動産会社に流れる仕組み


新しく登場した賃貸広告システム

このような理不尽な状況を打ち破ろうと、インターネットの世界では初期費用がかからない賃貸広告が登場しました。その最前線を走っているのが、不動産会社を介さずに大家さんが直接入居希望者を募集できるサイト「ウチコミ!」です。他の項目でも述べたとおり、ウチコミ!は大家さんにも入居募集者にもメリットの多いシステムになっています。登録料や掲載料は無料なので、一度試してみてはいかがでしょうか。

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