都市計画法の用途地域の指定で不動産の価格が変わる
ウチコミ!タイムズ編集部
2015/03/28
前回の補足と追加事項をお話しします。
・場所についての補足
駅などからの距離が、近い方が有利ではありますが、一つだけ覚えておいて欲しい事があります。それは、どんな街にも一定のルールがある事です。
「都市計画法」 と言う町を作る上で、必ず守らなければいけない法律です。どんな規制かといいますと、無秩序に建物が建設されて、かえってお互いの利益を相殺しあう事の無い様に、建物の用途ごとに地域を分けて、それぞれの建物の利益などを損なわないように定めた法律です。
具体的には、電車の駅を中心に考えてみますと、まず駅の周辺に必要なものは、商業施設です。商業施設の利便性を図るためには、建ぺい率や容積率は高い方がその目的が達成しやすく、建物に対する規制なども、あまり厳しくない。
では、反対に住宅地はどんな条件が必要でしょう。
日当たりや風通しを考えますと、建ぺい率や容積率は可能な限り抑えた方がいいですね。もちろん、工場や大規模な遊戯施設など静かに生活できなくなる様な施設もこまりますね。規制も多少厳しいぐらいでもいいでしょう。
すると、商業施設の要件とは、ほとんど正反対の内容になります。また、商業の地域のすぐ隣に住宅地の地域、というのも困ります。ですので、商業地域から住宅地域まで最大5段階の干渉地域をこれが「都市計画法」です。
今の話から分かる通り、駅に本当に近い、良質な住宅地が少ない理由も、こんな所にあります。
・周辺環境についての追記事項
~価格が上がる要因となる施設・環境
- 大規模な区画整理された住宅地
- 大規模な商業施設や複合施設の近くにあるニュータウンの様にさまざまな施設がそろっている街
- 商店街などの近くの住宅地
- 複数の路線や駅を利用できる住宅地
以上のように、生活の利便や住環境の向上が図れる内容です。
~価格が下がる要因となる施設・環境
一般的に、嫌悪されやすい施設の近く(近隣)
(例)
- 墓地
- 葬儀場
- 火葬場
- ゴミ処理場
- 下水処理場
- 風俗営業店
- 線路
- 大きな道路
- 工場
- 飛行場
- ヘリポート
- 牛舎や鶏舎など
- 送電線や変電所など
数えきれません。
一般的に、嫌悪されやすい環境
(例)
- 過去に氾濫のあった川のそばや低地
- 傾斜地や山・丘陵の北側の土地
- 工場や資材置き場・ダンプなどの大型車両の駐車場などが点在する地域
- 過去に、事件・事故などが起きた土地・場所
など、こちらもきりがありません。
現在は、上記の項目についても、かなりの内容を簡単に調べる事ができます。ご自身の納得いくまで、調べることをお勧めします。
今の住宅事情から、全ての条件を満足させる物件を探すこと自体が難しい事も事実です。是非、自分の目で確かめ、上手に組み立てて見てください。
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この記事を書いた人
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