「不動産売却」の際、知っておくと良い事
ウチコミ!タイムズ編集部
2015/03/14
自分の不動産を売却する際に何を気を付ければいいのか?というお話です。物件を購入する際には、売却する時のこともしっかり考えておくことも大事なことです。まず、日本の不動産流通の仕組み上、ごく稀な例外を除き、「不動産業者」に売却を依頼、お任せする他に方法はありません。
普通に考えても、一個人が不特定多数の不動産を買いたい!という潜在顧客に対して、広告の術がありませんよね。次に、その不動産の「販売価格」についてですが、本当の事をいいますと、不動産の価格設定にはなんの縛りもありません。
ですから、査定された価格が3000万円の不動産を1億円で売りに出しても何の違反でもありません。
ただ、普通に考えて売れにくいというだけです。ここで、売却の際に売主である自分としては、少しでも高く売りたいので、数社の不動産業者に査定の依頼をしますよね。普通の事の様に・・・。その依頼・・・大丈夫ですか??
■査定合戦は売主さんの未来が掛っている重要なポイント
売主さんの立場としては、査定を数社に依頼することは当たり前の事ではありますが、売れるかどうか分からない価格の査定合戦では、何の意味もありません。
どう言う事かといいますと、
- 不動産業者は、幾らの査定金額を付けてもなんの不利益もない。損害賠償を請求されるわけでも、査定した金額で買取をするわけでもありません。
- 売主であるあなたは、査定が高いと一瞬うれしくなります。実際に売れるのは、買主さんの目にかなった物件だけ。つまり価格だけで言えば、少しでも安く買いたいというのが買主さんの気持ちです。
- 売れない時間が長引けば、売主であるあなたの機会損失や貴重な時間の損失になる高い価格で長い期間広告され続けて売れ残りのイメージから足元を見られる様な不利益を被る場合もあります。
高い査定を批判しているわけではありませんが、不動産売却において、不動産業者は販売の手伝いはしてくれますが、上記の様な影響の責任は取りません。こんな状況に追い込まれながら、早期に売らなければいけない事情が発生してしまえばどうなるでしょう・・・
■相場より高い売却額を査定する業者の真の意図はなにか
売却不動産を数多く預かる事が不動産業者の目的です。物件が売れないなら不動産業者にとっても意味がないのでは?と思われるかもしれませんが、価格の高い物件を預かっても、実はうまみが十分にあります。
不動産業者の営業マンが本当に売りたい物件の当て馬として、非常に有効に使えるのです。当て馬として使う場合、それこそ頻繁にその不動産にたくさんのお客さんを連れて見学に行きます。ただし、物件は当て馬ですからこの不動産は売れることがほとんどないでしょう。売れるのは、営業マンが本当に売りたい物件です。
しかし、当の売主さんはそんな事とは知らずに、この不動産屋さんは、凄くがんばってくれていると勘違いするのです。こんなに内覧者が多いのに売れないとすれば、営業マンは次に値引きの交渉をしてくるかもしれませんね。でも売れないのなら仕方ないか・・・と段々と売却価格が下がっていく・・・なんてことも。
最後は、不動産業者のいいなりになり、その不動産業者の懇意の業者などに格安で横流し・・・。いわゆる、「囲い込み戦術」と呼ばれる方法で、大きな声では言えませんが、大手不動産業者の必殺技として、今も公然と行われています。怖い話です。
という事は、不動産業者同士の査定合戦は・・・上記のようなことが起こっているということを十分に理解して対応してくださいね。
基本、売主さんと買主さんの利害は全くの正反対なのですから、売れる価格(相場)と言うのは重要です。もちろん、不動産業者を選ぶ事も重要です。
今では自分で物件を売りに出せるウチコミ!売買REVOというサイトなどもあります。
有効に使って不動産物件の売却、購入をしてみてはいかがでしょうか?
この記事を書いた人
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