不動産会社の経営は年々厳しくなっている
ウチコミ!タイムズ編集部
2014/12/07
【不動産業者の経営が厳しくなってきている!?】
おとり広告に限った事ではありませんが、この様な許せない事件が起きる原因は他のもあります。それが不動産業界の経営が厳しくなっている事です。
まあ不動産業界自体が、変革や進化をしていない原因もあるとは思いますが、現状では「経営が厳しく」なっています。何が作用しているのか?
・不動産業を開業する為にかかる「莫大な費用と無駄な時間」
詳しくは、過去のブログを参照して下さい。不動産業を開業する為には「宅地建物取引業の免許」が必要です。この免許を取得するには、不動産の協会や保証協会に「強制加入」で費用は200万円以上かかります。
免許を申請する為には、スグに使える状況にした「事務所か店舗」を準備しなければいけません。そして、申請から免許の交付まで「約2か月ほど」かかります。つまり、営業できないのに「事務書か店舗」を内装工事までして設備も机・電話・コピーなど全てそろえてその事務所等の写真を取って「免許の申請」をして、更に200万円を払って2か月ほど待つんです。
と言う事は、事務所の準備から時間計算すると「約3カ月間」は営業が出来ずに費用だけ支払う事になります。その間、従業員も開業の為の準備もしているでしょうから・・・・・。
免許が下りて、開業時には「500万円以上のマイナス」からスタートになります。厳しいシステムです。
・インターネットの普及で、不動産業界の営業経費が激増した。
つい15年ほど前までは「インターネット」は軽視されていた業界です。利用される事も無く、相変わらず「販売図面やチラシ」が主な広告媒体でした。
しかし今では「インターネット」が広告や集客のメインのツールに変貌しました。不動産業界でも「スーモ・ホームズなど」の主要な「不動産ポータルサイト」を利用しなければならなくなります。
この「スーモ・ホームズなど」は、不動産会社ではありません。結局、そういった「有名サイトの何社」にも「広告料・利用料」という今までにない営業経費が発生しました。
その上、この「広告料・利用料」は結構高額です。1カ月当たり1つのサイトに10万円〜30万円程もかかるのです。サイトの種類・数も皆さんがご存じの通り、すごく沢山あります。この「ポータルサイトにかかる営業経費」は新たに増えてしまった物です。
一方、不動産業の収入はと言いますと「売買=約3%・賃貸=家賃の1か月分」という様に何も増えていません。もともと不動産業の収入に関しては、法律で決められていますので、勝手に増やすこともできません。
つまり「営業経費は大きく増えて、収入は全く変わっていない」状況です。本当に圧迫されています。ポータルサイトについてもう少しお話ししておきますと・・・。ポータルサイトを導入した不動産業者の業務がどうなったか?
大手ポータルサイトを利用すると、集客が増えて良くなりそうなイメージがありますが、ポータルサイトの物件のメンテナンスは不動産業者がやらなければいけません。つまり、掲載している情報や金額、写真の状況の変化・・・これ全て情報を掲載している不動産会社が自分たちで変更したり、追加登録したり、写真を載せ替えたりしなければいけないのです。
一見、インターネットを利用すると「業務効率」などが良くなりそうな気がしますが、実は逆です。
ポータルサイトに載せている件数も1件や2件ではありません。賃貸住宅の平均的な不動産会社の社員は2〜5人ぐらいです。
仮に100件の物件を掲載していたとすると、社員の業務負担も相当なものです。そして、不動産会社には「接客・案内・物件調べ・契約・顧客訪問など」の通常の業務も沢山あるのですから。人件費も下げられる状況に無いようです。
大きなところをお話ししましたが、当然、他にもいろいろあります。最近では「一般の消費者」にも「不動産業界の内情」や「不動産業界の実態」がインターネットで広がっている事もあり、消費者が今までのように「不動産業者に来店」する事が減っているようです。これも不動産業者はあわてる原因になります。
大きな広告費をかけても、集客率が下がっている・・・。かけた営業経費に見合う営業売り上げが上がらない・・・。現在の状況は、この様な感じです。
不動産経営に関してはもはや不動産会社さんにおまかせということでは成り立たなくなりつつあります。
大家さんも自分で動いて集客をしてくることが大事です。しかし、これまでのシステムでは自分でできることは限られていました。そんな中出来上がったのが大家さんが自分で物件を紹介できるサイト、ウチコミ!です。
所有されている物件の募集をかけることが可能です。大家さんであれば是非一度見てください。
この記事を書いた人
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