「不動産教室」玉石(たまいし)について
ウチコミ!タイムズ編集部
2012/07/29
今回から、写真などを沢山使ってわかりやすいお話をしていきたいと思います。
~玉石(たまいし)とは?~
まずは、下の写真をご覧ください。今でも、たまにみかけますよね。昔はいたるところにありましたよね。今は、建築基準法で この玉石積み(たまいしづみ)の土留めでは建物が建築できなくなってしまいました。もちろん、この土留め(どどめ)から一定の距離を離して建築等をする場合には、問題がありませんが、ご覧の高さでも3~5Mもはなれなければ、いけません。
すると、結構大きな土地なら出来ますが、30坪ぐらいの土地では建築自体ができない事になってしまいます。では、どうすれば普通に建物が建築できるかと言いますと....。コンクリートの大きな壁の様な 土留め です。要するに、玉石(たまいし)の部分を、このように直せば 建物の建築が可能になります。
しかし、この擁壁は 「工事費用」 が結構高いです。写真では、わかりませんが 「地下部分」 にも埋まっている部分がもちろんあります。「地下部分」 を含めて、この擁壁を作る為には
① 玉石部分を撤去。
② 同時に、一旦 「地下部分」 まで土を取り除く。
③ 擁壁の底盤を鉄筋コンクリートで作る。
④ 擁壁を鉄筋コンクリートで作る。
⑤ 取り除いた分の土を、補充する。
というように、大変な工事になります。一口に、100万円単位の費用になります。では、誰がこの 「工事費用」 を負担するのか? ~基本的に、所有している方です。つまり、この土地を購入した方ともいえます。え!? どうゆうこと? という方が多いかと思います。
通常、不動産の取引では 「現況有姿」 という形で取引がされるケースが多いです。「現況有姿」とは、見たままの現在の姿という意味ですからそのまま、引き渡しを受ける事になります。後は、どうすればいいかといえば、この悪い条件を購入する段階で、値段交渉等に反映させるしかありません。そこを理解していれば、対応できますね。このような感じで、 「不動産教室」 は続けていきます。
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この記事を書いた人
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