原状回復費がどこまで請求できるのか?
ウチコミ!タイムズ編集部
2015/01/25
4 原状回復費等についての取決め
現在の法律等では、通常使用の場合の「原状回復費」は借主さんの大きな過失でもない限り、昔のように部屋の壁から床まで全ての交換などは出来なくなっています。つまり、普通に使っている場合の経年劣化や経年変化分の借主への請求はできませんので、クリーニング費用ぐらいです。
それ以外に契約上で決められるとすると、契約書の特約などです。説明してきた通り、何でもカンでも好きに特約に出来る訳ではありませんが、当事者同士の特約で認められる事もあります。
という事は、借主さんは「契約書に記載されている特約」はキチンと確認しておかなければいけないわけです。最低でも、何をどの様に負担しなければいけないのかは確認してください。
今後「民法の改正」を機会に「原状回復費用のトラブル」は減少していくと思われますが、改正された民法が施行されるまでまだ2年程かかると思います。借主さん自身が負担しなければいけない費用の話です。確認をして下さい。
・現在の判例や民法改正の方向から・・・
普通に使用して汚れた壁や床の補修・改修の費用請求は出来なくなっています。使用期間も6年程が基準になっていて、それ以上居住した借主には汚れ等の改修費用は請求できません。請求されるのは、借主さんが壊してしまったような物だけです。
・これ以外に請求できるのが、契約書の特約で合意に至ったものです。
代表的なのが、クリーニング費用です。但し、現状では法律で厳しく言われていませんが、契約の時点で「クリーニング費用の概算金額」を提示する事が求められています。例えば、平米単価で幾ら〜とか、1部屋で幾ら〜とかです。
因みに、現在一般的に使われているのが「平米あたり1,000円程度」です。参考にしてください。
貸主も借主も気持ちよく良い関係を続けたいものです。
部屋を貸したい人、部屋を借りたい人が集まり、コミュニケーションをしているサイトがあります。ウチコミ!と言います。借主さんも貸主さんも一度覗いてみてはいかがでしょうか?
この記事を書いた人
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