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プライバシーや防犯は大丈夫? 日当たりや騒音は?

マンションの1階はデメリットが多い? 意外と知らない1階に住む4つのメリット

橋本みゆき橋本みゆき

2017/08/03

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イメージ/©oka–Fotolia

マンション1階のデメリットとは?

防犯上の理由や眺望の問題などから、マンションの1階の部屋を避ける人は少なくありません。よくないイメージが先行してしまっている1階の部屋ですが、実際、どのようなデメリットがあるのでしょうか。なんだかんだ言っても、1階の部屋に住むうえで、避けては通れない注意点がいくつか発生してしまいます。

具体的に見ていきましょう。

 

<プライバシー問題>
どうしても外を歩く人の目が気になってしまうのが1階の住戸です。道路より建物が高くなっていたり、窓が死角になるような構造になっていたりすればいいものの、同じ高さにつくられていると、昼間でもカーテンを閉めっぱなしにせざるを得ないことも……。

<防犯面に不安が残る>
最上階だから泥棒には入られない」とは言い切れませんが、やはり侵入のしやすさでは1階が断トツです。ただし、1階だけではなく、足がかりになりそうな植物などがあれば、2・3階も同様に、防犯面には不安要素が出てきます。

<落下物が避けられない>
最下階のテラスや専用庭のお悩みのひとつは、上階からの落下物です。洗濯物ならまだしも、布団を干したときのホコリなど、ゴミや汚物が落ちてくることもあります。

<騒音問題>
車の通りが多い道路や、線路近くの物件であれば、窓の外から聞こえる音が気になってしまいます。上階の住民の足音といった生活音もつきまとうため、静かな空間を好まれる方は、少しむずかしいかもしれません。また、交通量の多い道路の場合、排気ガスが気になる場合もあるので、注意が必要です。

<日当たりと眺望>
マンションの周辺に、植栽や高い建物がある場合には、下層階は日陰になってしまいます。採光面となる方角に、影をつくるものはないかなど、内覧に行った際に、しっかりと確認しましょう。また、高台などの特殊な立地のマンションでない限り、1階で周囲を見渡せる眺望は期待できません。

<暖房効率が悪い>
1階の場合、下に住戸ない分、夏は涼しい半面、冬は床下からの冷気が入り込むため、暖房効率が悪くなります。床下に断熱材を敷き込むなどの対策が施されているかがポイントになってきます。

<湿気が多くカビになりやすい>
一戸建てに比べ、マンションは気密性が高いことから、こまめな湿気対策が必要になります。特に1階は地面に近いため、梅雨の時期などは要注意です。

<虫が侵入しやすい>
やはり低層階のお部屋は、高層階と比較をすると、外からの虫の侵入が多いと言えます。市販の防虫剤などで対策をしたり、こまめに掃除したりするなど、虫対策は必須になります。 

 

1階は地震があったときに危ない?

2011年の東日本大震災以降、比較的大きな地震が頻発していることもあり、気になるのが災害時の安全性です。確かに1995年に発生した阪神淡路大震災では、1階部分が完全に潰れているマンションが多くありました。

しかし、それを教訓に耐震基準が厳しくされたことで、現在、震度6以上の地震が起こっても、マンションが倒壊する心配はありません。逆に言えば、高層階に住んでいるほうが、地震による揺れは大きくなります。そのため、たとえば割れたガラスでケガをしてしまう、倒れた家具の下敷きになってしまうといった危険性は、高層階のほうが高くなる場合も考えられるでしょう。また、地震によりエレベーターがストップしてしまえば、避難が遅れてしまうため、地上への避難時間の短さでいえば1階にメリットがあります。

 

意外と知られていないマンション1階に住むメリット


©oka–Fotolia

前述したように採光や眺望といった問題から、避けられがちな1階ですが、実は、高層階にはない1階ならではといったメリットが存在していることは、あまり知られていません。あえて1階を選択するメリットについても見てみましょう。

<メリット1>戸建て感覚で暮らせる
1階の場合、専用庭が付いている住戸が多くなります。ガーデニングを楽しんだり、家庭用プールを出して子どもと遊んだり、ペットを自由に走り回らせたりと、プライベートな空間を持つことができます。マンションのような利便性の高い立地で、戸建て感覚の生活が満喫できるのは、大きな特権でないでしょうか。

<メリット2>下の階に気を遣わなくていい
小さな子どもがいる家庭では、どうしても足音が気になってしまいます。ですが、1階であれば、下の階に配慮をする必要がないので、余計なストレスない環境で、のびのびと生活できます。

 

<メリット3>朝の時間が短縮できる
高層階に住むデメリットといえば、朝のエレベーターです。タワーマンションの上階に住んでいる場合など、エレベーターの待ち時間は深刻な問題と言えるでしょう。ほかの住人とどうして出勤時間が重なってしまうため、なかなかエレベーターが来てくれず、毎朝冷や冷やものという話を聞くことも少なくありません。

ですが、1階であれば、エレベーターを使う必要もないので、朝の忙しい時間に余裕が生まれます。忘れ物を取りに帰ったり、ササっとゴミを捨てに行けるのは、1階ならではのメリットです。

<メリット4>低予算で住める
マンションは上階に行くほどに、高価格に設定されています。まったく同じ間取りでも、下階のほうが上階よりも安く購入できるメリットがあります。

特に1階と2階で価格差が大きく開くことが多いので、先入観だけで1階を避けていた人には、検討の余地が十分にあります

 

先入観やイメージで物件を選んではいけない

もう少し、予算について考えてみましょう。すべての部屋が同じ面積であれば、価格を比較するだけで、どこの住戸が一番割安なのかがわかります。しかし、実際のマンションの住戸面積はバラバラです。

たとえば

303号室 南向き、3LDK、70m2、4000万円
605号室 東向き、3LDK、76m2、4300万円

この2部屋を比較したとき、どちらが割安だと思いますか? パッと見ただけでは303号室に思います。しかし、m2当たりの単価を計算してみるとどうでしょうか。

303号室 4000万円÷70㎡=57.1万円/m2
605号室 4300万円÷76㎡=56.5万円/m2

このように、m2あたりの単価を比較してみると、実は、605号室のほうが割安だと判明します。もちろん、部屋の向き、たとえば「南向き」であるとか「東向き」であるといった部屋ごとのメリット・デメリットなど、さまざまな要素が関係してくるため、一概には言えません。しかし、先入観やイメージによる思い込みの物件選びは、得策ではないということがわかります。

 

「1階=ダメ」という方程式を外してみる

1階に住んだことがないのに「良くないと聞いた」「絶対に危ない」「なんか嫌だ」という勝手なイメージを抱いていませんか? もしも、そんな先入観が1階を選択することを邪魔しているのであれば、1階に住むメリットにも一度目を向けてみてください。 

「脚の悪いおじいちゃんやおばあちゃんが遊びに来てくれたときでも、1階であれば移動距離も少なくて安心」
「朝が弱いから、エレベーター待ちがない分10分遅く起きられるだけでも助かる」

など、思わぬ快適ライフが手に入るかもしれません。


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この記事を書いた人

住宅ライター・ファイナンシャルプランナー

銀行員、不動産会社、OL、新聞社、広告代理店を経てライターに。宅建やファイナンシャルプランナー、証券外務員、色彩検定などの資格を取得。住宅の選び方からインテリアまで幅広く執筆中。

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