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コーポ、メゾン、カーサ、パレス――賃貸物件の名前あるある・その意味は?

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賃貸マンションやアパートの名前でよく目にする「言葉」

賃貸マンションやアパートの名前でよく目にする言葉――たとえば、コーポ、メゾン、カーサ、パレス等々…「あるある」だ。

これらにはどんな意味があるのだろう? 並べてひもといてみよう。これを読んでいるあなたは、ひょっとして「宮殿」や「お城」に住んでいる?

「パレス」

「〇〇パレス」などと名乗る賃貸マンションやアパートはいくつもある。英語の「palace」が元だ。意味は主に「宮殿」となる。なので、日本の皇居は「the Imperial Palace」と訳される。ロンドンの「Buckingham Palace(バッキンガムパレス)」といえば、イギリス国王の住まいのうちもっとも有名な宮殿だ。

「カーサ」

スペイン語などの「casa」が元だ。意味は主に「家」「住宅」。世界一有名な「カーサ」といえば、アントニ・ガウディ作の世界遺産、バルセロナにある集合住宅「カサ(カーサ)・ミラ」だろう。同じような感覚で、日本の賃貸マンションやアパートが「カーサ〇〇」を名乗るのもそれほどおかしくないはずだ。

「メゾン」

フランス語の「maison」が元。意味は主に「家」「建物」となる。ただし、そのほかにも範囲は広く、家族や一家という意味での「家」や、「店」「会社」「職場」などを表す言葉ともなる。ちなみに、メゾンの語を有名にした漫画「めぞん一刻」の舞台は「一刻館」というアパートだ。メゾンは付かない。

「シャトー」

主に王族や貴族の住まいを意味するフランス語の「château」が元だ。つまり「城」や「宮殿」、大きな「館」のこと。よくある「モンシャトー〇〇」だと「私のお城〇〇」という意味になる。世界一有名なシャトーといえば、やはり「Château de Versailles(ベルサイユ宮殿)」になるだろうか。

「レジデンス」

分譲・賃貸問わず、いわゆる高級・ハイグレードなマンションの名前によく見られるこの言葉。元は英語の「residence」だ。「住宅」「邸宅」も意味するが、「住居」「居住地」あるいは「居場所」といった意味も一般的となる。「country of residence」で「居住国」になるといったかたちだ。

「ヴィラージュ」

フランス語の「village」が元となる。英語だとヴィレッジで、つまり「村」のことだ。よくある「ヴィラージュ〇〇」などという名前は、集合住宅を一個の村に見立てたネーミングとなる。ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォーは、限られた村だけが生産する特別なボジョレー・ヌーヴォーのこと。

「ヴィラ」

イタリア語のほか英語、フランス語などで使われる「villa」が元で、いまは多くの国で「別荘」を指す言葉となっている。さらに、さかのぼるとこの言葉はラテン語のvilla(ウィッラ)に行き当たる。古代ローマの上流階級の人々が郊外の領地に設けた、農場の付いた大邸宅を主に意味した。

「ハイツ」

「丘の上」や「高いところ」などを意味する英語「heights」が元だ。「モーニングサイド・ハイツ」といえば、コロンビア大学のあるニューヨークの有名な高台地区となる。転じて、国によっては高い建物にもハイツが使われたりする。日本ではなぜか古いアパートの名前に目立っている。

「ハイム」

ドイツ語の「heim」が元だ。「家」を意味するが、英語の「home」に通じるもので、「帰る場所」的な温かいイメージも持つ。なので、最近日本でも言葉を目にする「ティアハイム」といえば、動物(tier)の保護施設を意味している。一方、英語の「house」に相当するドイツ語は「haus」となる。

「コート」

英語の「court」が元。意味の広い言葉で、裁判所を指したり、王宮や王室のことだったり、テニスコートのコートもこれだったりする。その中で、賃貸物件にコートが付く場合のルーツといえば「中庭付きの大邸宅」や「壁に囲まれた庭に建つ大邸宅」を意味する場合のコートだろう。

「コーポ」

古いアパートの名前によく見られる「コーポ」。実は、前段階として「コーポラス」という和製英語があり、それを略したものだ。共同的、協調的、あるいは集団的なことを意味する「cooperative」「corporate」等の途中までの音に「house」の末尾「ス」を足したものと見られている。

「アパート」

最近は「〇〇アパート」と直接名乗るアパートは少なくなった。だが、昔はあちこちに見られたものだ。集合住宅を意味する英語「apartment house」または「apartment building」から来ている。なお、「apartment」だけだと、それら集合住宅の中の1室を指す意味が強くなる。

「荘」

「〇〇荘」といえば、かつて昭和の半ば頃まで、アパートの名前としてはまさに定番だった。そもそもの意味は「おごそか」で「いかめしい」こと。つまりハイクラスな場であることを意味している。貴族や社寺といったおごそかでいかめしいオーナーの土地なので「荘園」となるわけだ。

「マンション」

本来は英語で「大邸宅」「豪邸」などを意味する「mansion」。だが、日本ではなぜか集合住宅を意味するものになったのはよく知られた話。つまり、間違い英語なのだが、2000年に「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」が公布され、いまや法律もこれを容認したかたちだ。

以上、賃貸マンションやアパートの名前でよく目にする「あるある」な言葉の意味をひもといてみた。あなたの住んでいる物件の名前にこれらは付いていただろうか?

ちなみに、この記事を書いている当人、はるか昔「パレス」に暮らしていたことがある。木造2階建て・1K・3点ユニットバス付きの豪華な宮殿で、洗濯機置き場は外にあった。

(文/賃貸幸せラボラトリー)

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賃貸住宅に住む人、賃貸住宅を経営するオーナー、どちらの視点にも立ちながら、それぞれの幸せを考える研究室

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