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シェアハウス探しから入居手続きまで(4)

いざ内覧! シェア物件選びのチェックポイント

内野匡裕内野匡裕

2016/03/10

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共用スペースの設備や清潔度を確認

シェアハウスに住むとなれば、住人と一緒に使う共用スペースや設備は個室以上に住む家の快適度を左右するものとなってきます。ウェブサイトで紹介されている写真や紹介文ではわからない、実際の印象を大切にしましょう。実際に使われている生活スペースを見ることによって、シェアハウスの住人の生活習慣も少し把握できるでしょう。

見た目は新築のようにきれいでも、古い建物を改装しているリノベーション物件も多いです。耐震性や水回りの状態など、築年数からくる問題がないかどうかも聞いておくと住んでから安心です。とある女性3人がシェア生活をしていた都内の一軒家では、ときどきヤモリや虫が出ていたそうです。たまたま、住んでいたメンバーが皆、地方出身であったためか、それほど問題にならなかったそうですが、そういった情報はあらかじめ知っておきたいところでしょう。

浴室、トイレ、洗面所は必須のチェックポイントです。清潔度もチェックしておきましょう。たとえば、個々が使うシャンプーなどを浴室に置いておくシェアハウスもあれば、個室に毎回持ち帰ることがルールになっているシェアハウスもあります。細かい生活習慣の違いも毎日となるとストレスになることもあるので、できるだけ生活ルールや清潔度が、自分の快適と思う環境に近いといいでしょう。

人数が多めの物件では、お風呂やトイレの数が人数に見合った数かどうかもチェックが必要です。だいたい、「4人にひとつ」を目安にするといいといわれています。浴室や洗濯機は同じ時間帯に混み合うこともあるので、少ない場合は注意が必要です。

それから、シェアハウス内に家電やキッチン用品はどんなものがあるかチェックしておきましょう。ひとり暮らしでは個々に必要でも、シェアハウスでは1個を共同で使っていることも多いです。キッチン家電など大きめのものは、個室に置けなければ引っ越しの際に処分する必要も出てくるかもしれません。電子レンジ、オーブントースター、電子ケトルなど、設備が少なければ持ち込んで喜ばれることもあるので、住人や管理会社に相談してみましょう。

生活上のルールについて聞いておく

まずどんな人が住んでいるかチェックした上で、シェアハウス内で独自に決められているルールがあるか聞いてみましょう。男女比や年齢層、外国人がいるか、コミュニケーションは密なのかあっさりなのか、入居者によっても思っている「常識」はそれぞれ異なります。

女性専用のシェアハウスなら「男性の立ち入り禁止」「親戚以外の宿泊禁止」など防犯上のルールを運営会社が設けていることもあります。「特にルールは気にしない」と思っていても同居人の生活態度によってはシェアを楽しめなくなってしまうこともあるので、注意しましょう。

同居人以外の人の出入りが多いかどうか、恋人を連れて来てもいいかどうかなど、自分が想定できる範囲のことは聞いておきたいところです。

ほかにはゴミ出しや共用スペースの掃除はどうなっているのか、台所や洗濯機を使う時間に決まりはあるかなどもチェックしましょう。そのルールのなかで、自分が気持ちよく過ごせるかどうかを考えてみてください。

長く住んでいる人がいる物件であれば中心となってルールを決めている人がいたり、住人同士で暗黙の了解となっていたりと住人に任せられている場合も多く、運営会社が把握していない場合もあるので実際に住んでいる人に聞いたほうがいいかもしれません。きれい好きな人は特に、自分が許容できる範囲かよく考えましょう。

そして、意外と大切なのが喫煙ルールです。自分が吸わない場合でも、ほかの入居者や訪問者が喫煙することがあるかもしれません。換気扇の下ではOKなど、物件によってルーズだったり、きっちりしていたりします。タバコの臭いが嫌だったり、体質に合わなかったりする場合はそのことも相談して、ルールがどうなっているか聞いておくことが大事です。

運営会社(メンテナンスや管理体制)は信頼できるか?

シェアハウスの場合、運営会社が共用スペースや入居者コミュニティの管理に大きく関わってきます。案内役の担当者の人柄や雰囲気も、親身になってくれる会社かどうかの見きわめポイントにしましょう。

大人数やドミトリータイプ、広い共用スペースのある物件であれば運営会社の訪問頻度や清掃などの管理体制によっても快適度が異なります。衛生管理や備品の補充を運営会社が行っている場合、不備がないかどうかストックもチェックしてみるといいでしょう。

入居者のコミュニティにどれくらい関与しているのかも聞いておきましょう。物件によっては月ごとにパーティを開催していたり、みんなが交流できるノートを置いたりと交流を活性化できるための工夫をしているところもあります。

もし入居することになれば、運営会社とはこれからもつきあい続けていくことになります。「シェア生活のパートナーとしてうまくやっていけそうか」という視点を持つとともに、こちらも人柄や態度をチェックされていると意識して誠実な態度で接しましょう。

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この記事を書いた人

株式会社彩ファクトリー 代表取締役

10年前に国際交流経験を求めてシェアハウスに入居。自分自身が体感した「人との交流から得られる気づき、学び、視野の広がり、共に体験し、感動できる喜び」を、社会に受け入れられやすい形にリメイクして届けたいと、シェアハウスの事業化を決意する。 以来、勉強のために10物件に住み、200物件以上を見学、シェアハウス運営会社を副社長として設立し、デザイナーズシェアハウス4件を運営。その後、独立して株式会社彩ファクトリーを設立。 ひとり暮らしでは得られない「体験」の得られる環境にこだわり、コンセプトシェアハウスを17件プロデュース。全330室を運営。 起業家が切磋琢磨を楽しむ「起業家シェアハウス」は、起業家同士が日常的に相談し合い、刺激を与え合い、目標の実現を加速することを目指して運営。共用のセミナールームにてさまざまなビジネスイベントを開催している。これまで4年間運営し、上場企業の創業者や年商50億円規模の経営者も入居している。 また、「英語漬けシェアハウス」では、外国人が20パーセント以上となるように調整し、共用ラウンジでは英語で話すことをルール化、シェアハウス内で週2回の英会話レッスンを開催する。また、毎月国際交流パーティーを開催し、外国人との国際交流を日常化している。 その他、シングルマザーシェアハウス、東大合格シェアハウスなど、多くのコンセプトシェアハウスをプロデュースする。 彩ファクトリー http://irodorifactory.com

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