シリーズ「建築業界の裏側」その4
ウチコミ!タイムズ編集部
2013/06/17
建築工事や施工の現場で実際に起きている事をお話しします。これからお話しする事は、実際に自分が現場で見聞きした
事のみをお話しします。当時、自分は営業でしたので余計に苦労しました。でも、そのおかげでブログが書けるような所もありますね。
①注文住宅の工事現場で起きた事。
~新築住宅、それも「大手ハウスメーカー」の施工現場の事です。「根伐り」という工程での事です。因みに、「根伐り」と言うのは建物の基礎のコンクリートなどを施工する為に、建物の図面を参考にして「予め土地を掘っておく」
作業の事を言います。この工程は、かなり重要で「ここで間違いがあると~建物の位置がずれてしまう」とても大切な作業です。
あまり中傷めいた話はしたくありませんが、そのメーカーは現場をオロソカニしているメーカーでしたので、現場監督が現場にまず顔を出しませんでした。ので、自分が「図面を持って」現場に行って確認していたのですが図面上の建物の位置と40㎝以上もズレタ所を、職人さんが掘っていたので、びっくりしました。
当然、職人さんに確認すると…。「間違ってね~よ」の返事。図面を見せながら、メジャーを当てながら何度も説明すると…。「わかったよ! やり返ればいいんだろ!」しぶしぶ掘った場所を埋めて掘り直していました。
※これ、本当は「現場監督の仕事」です。それに、ズレタママダッタラ大変な事になっていました。と言うのも、最初にズレテいた場所は、隣地との塀に近くてその方向には勝手口が付く予定で、そのドアが開かなくなる様な場所だったんです。今考えても「ゾッとします。」
~こうゆう現場では、いろいろ起きるんですね。
次は、建物の基礎を打っている時のことです。自分は、その現場の近くを通ったので「ちょっと様子を見に」寄っただけでしたが、たまたまその住宅のお施主さんも見に来ていました。現場のすぐ傍でお施主さんと話をしていた時、職人さんの会話が聞こえてきました。
「おうっ!セメントがたんね~な…。いいよ、水でふかしとけ…。」
なんて話が聞こえてきました。当然、私だけでは無くお施主さんにも聞こえています。その場で職人さんに話をして、セメントを取りに行かせました。お施主さんが怒らなかったのは、今でも不思議ですが…。もちろん、職人さんには厳しく注意しましたが、驚きです。
※ここで話さなくてもお分かり頂けると思いますが、セメントなどは水でふかしたり(薄める)したら、計算された強度が全く出なくなります。もちろん、その持ちなども格段に変わってしまいます。
~これは、別の現場ですが…。大工工事が始まってしばらくしての事です。現場を見に行くと大工さんが工事をしていました。大工さんに挨拶をして現場にはいると…。壁の隙間に端材を詰め込んでいたり、和室の天井周りの化粧材(廻縁)を直接、金槌でたたいていたり…。営業の私でさえわかる様なトンデモナイ仕事をしていました。頭がクラクラして来ました。即刻、会社に報告と厳重注意です。
※端材とは、材料などを現場で加工したあとの残りで、殆どゴミです。読み方は「ハザイ」と読みます。大工さんは、現場を綺麗にするのも仕事の内ですが、反則行為です。廻縁とは(マワリブチ)、天井と壁の奥まった角(入り隅)に額縁の様に綺麗に見せる為の木材です。
ですから、化粧材ですので「直接、金槌などで」打つなんて、とんでもない!当木をして打つのが当然です。実際の現場では、廻縁が何か所も凹んでいたり、金槌の錆や汚れが移っていたりしました。
~また別の現場では…。外壁材の施工をしていた時の事でした。外壁材を、釘で柱などに打ち固定するタイプでしたが、何枚か割れた外壁材が柱に打ったまま放置されているのを見つけました。職人さんは現場で作業をしていたので、指摘すると…。「あ~、後でやりかえるよ。」とめんどくさそうに答えたので、後でまた見にくるからやっといてと声をかけました。
3時間程して、もう一度現場に見に行くと…。「やはり、何もしていませんでした。」会社に報告するぞ!と注意して初めてやり替えに手を付け始るありさま…。
※このタイプの外壁材は、外壁材自体に化粧が無いので、外壁材を貼った後でリシン吹き付けなどの化粧仕上げをするものでした。リシン吹き付けとは、アクリル系やシリコン系などの素材を吹き付けて仕上げるお化粧で、防水性などを高めるものもあります。
ですから、割れている外壁材でも、「のり」などで割れをごまかしてその上から吹き付けをしてしまえば、割れている事がごまかせてしまいます。でも、強度や耐水性などの面はどうにもなりません。
なんで、こんな事が平気で起きるのかは、次回話しますね。
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この記事を書いた人
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