家を貸したいときの「定期借家契約」と「普通借家契約」について
ウチコミ!タイムズ編集部
2014/10/14
賃貸経営で、民法の規定や宅建業法(宅地建物取引業法)、消費者契約法という法律が必ず付いてまわります。不動産会社などに一任していても、多少の注意が必要です。昨今は、法律も厳しくなっています。その上、借主さん側の消費者は勉強している方も増えています。
「昔からの流れで…。」「今までは、ずっとそうだった…。」なんて事も、徐々に通じなくなって来ています。家を貸したいときの無用なトラブル、揉め事を起こさない為にも、ちょっと勉強をしましょう。
■定期借家契約について
この「定期借家契約」については、取り入れている大家さんも増えてきました。簡単におさらいしましょう。
・定期借家契約とは、どんなものか?
定期借家契約の文字通り、定期=期限の決められた賃貸借契約です。契約の終了時期には、必ずこの契約は終了して、建物を明渡す形態を原則とします。契約を延長する事は出来ません。但し、再契約は可能です。
この場合、見かけ上は借主さんが住んだまま、契約が切れる日から次の契約を結ぶ形になるので「契約を更新」したように見えます。ですが、実際は更新では無く「再契約」になっています。
何が違うかと言いますと、従来の「賃貸借契約」では、借主さんからの契約解除は、ほぼ自由に行えましたが、貸主さんからの「契約解除や契約更新の拒絶」には、非常に厳しい「規制・制約」が設けられていました。これは、貸主の一方的な都合や貸主の気持ち一つで、借主の住宅が不安定になったり無用な出費を強要される事を防ぐために出来ています。
反面、家を貸したい貸主側の都合はかなり大きく制限されていた事も事実です。そこで「定期借家契約」が登場したわけです。この契約形態の場合、契約期間は最初の契約で定められた「期間」で終了しますので、建物の大規模な修繕が予定されていたり、建替えや売却の予定がある場合は、今までに比べると有利になります。
■普通借家契約とは?
「普通借家契約」の場合、余程の理由が無い限り、家を貸したい貸主側からの「契約の解除・更新の拒絶」は法的にとてもハードルが高く、裁判でも勝訴できる程の理由が無い限り「立ち退き費用」などが必要になり「立ち退き交渉」と共に、貸主側の負担が非常に大きいものでした。
この契約形態は、契約自体の制約は多く無く、唯一「契約期間1年以上」としていれば契約書の必要も無く「口頭」でも「賃貸物件を引渡し」さえされていればOKというものです。ですが、お互いに「トラブルの元」ですから、書面はキチンとしてください。
普通借家契約の場合、借主の意志で解約や退去が無い限り、ほぼ住み続けられる契約形態です。家賃の変更や、管理費の変更など長い期間には条件を変える必要が出る場合があります。こういった事柄も、予め契約書などに記載をしていないと、変更の相談も出来ない事が起きてきます。いろいろ、注意する場所が違います。
次回は、その辺りを、わかり易くまとめて見ましょう。
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普通借家契約とは|貸主からの解約や中途解約について
定期借家契約とは|期間や途中解約、再契約について
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この記事を書いた人
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