賃貸経営で失敗しないために注意すべき幾つかの事
ウチコミ!タイムズ編集部
2014/09/01
賃貸住宅を営む大家さん、いろいろな問題や悩みは尽きない事と思いますが、賃貸住宅を貸す立場として、一昔前に比べ「世の中の状況」や「賃貸住宅を取り巻く法整備の状況」「賃貸住宅の需要や要望の変化」いずれも賃貸住宅を経営する大家さんにとって、ある意味厳しくなりつつあります。賃貸経営を失敗しないためにもその中で、注意しなければいけない事も沢山あります。
そのような内容を、事例を載せながらお話ししていきます。賃貸経営の失敗を防ぐためにまずは、変わってきている状況からお話ししていきます。
■世の中の状況について
10〜20年程前までは、賃貸業界も今の様にインターネット主流の流れになっておらず借主さんが、不動産屋さんを廻って物件を探すスタイルで、賃貸契約やそのルール等も今の様にトラブルや問題としてクローズアップされたりする事もありませんでした。
また、経済状況も今よりも安定していましたので、敷金礼金や家賃の交渉、諸条件の交渉なども今より少なかったり、賃貸住宅の契約や手続きなどもスムーズにいっていました。しかし、長引く不況による需要の低下やインターネットの普及による情報の拡散により今まで借主さん側では知らなかったような内容まで、自由に取れる様になり、同時に今まで隠れていた退去時の問題や、賃貸契約上のトラブル等が誰にでも簡単に見る事が出来る様になりました。もちろん、意図的に隠していたりしているわけではない場合もありますが、インターネットなどの普及も手伝い構造がかわりました。
■賃貸住宅を取り巻く法整備の状況について
この件に関しても、多くの事が変わってきました。特に大きく変わってきているのは「賃貸住宅の紛争防止条例」でしょう。現段階では、一番厳しく行動を起こしているのは、東京都です。
東京都では、この条例を基に不動産会社に賃貸契約時に条例の説明と書類の作成を義務付ています。内容に関しては、賃貸住宅を退去する際の原状回復のルールについてです。簡単に言いますと、借主・貸主の原状回復に関する責任範囲を明確にしたものです。
例えば、経年変化や通常使用による劣化や損耗は貸主の負担になる事や通常の使用法ではない使い方で損耗・劣化したものは借主の負担…と言うように取り決めた条例です。更に、本年、この東京ルールと同じような内容の民法の法改正が予定されています。今まで、過去の慣習や昔ながらの考え方だけでは、通用しなくなります。
■賃貸住宅経営の需要や要望の変化
今までは、ワンルームの賃貸マンションは単身者、2DKは新婚さんや夫婦のみ、3DK(マンション・戸建)は3人以上の家族などが対象で、入学・就職の時期、結婚の時期と言う様な需要の発生がふつうでしたが新婚でワンルーム系の住居を求める方が増えたり、単身で2DKを求めたり、3DKから2DKへ移られる家族が増えたりと、過去に見ないケースが増えてきたり、世の中が贅沢になっているわけではないのでしょうが、今まで普通であった3点式ユニットバス(トイレ・洗面・お風呂が一緒になっている)が敬遠されたり、畳の和室が異常に人気がなくなったりミニキッチンに付いている小さな冷蔵庫が迷惑がられたり…。以前は、そんな事で文句を言う方はいなかった事が、それでは通用しなくなって来ています。
かと言っても、費用をかけて改修工事をするのも誰にでも出来ることではありません。改修したくても法的・構造的に無理な場合もあります。どうしていけば良いか、本当に困っている方が増えています。
以上を踏まえて、現在は賃貸経営を失敗しないためにもどの様に対応して行けばいいのか。どんな対応をしていく必要があるのかなどのお話しを、次回していきます。
不動産経営に関してはもはや不動産会社さんにおまかせということでは成り立たなくなりつつあります。
大家さんも自分で動いて集客をしてくることが大事です。しかし、これまでのシステムでは自分でできることは限られていました。そんな中出来上がったのが大家さんが自分で物件を紹介できるサイト、ウチコミ!です。
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この記事を書いた人
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