不動産業界の「闇」についてのお話し
ウチコミ!タイムズ編集部
2013/04/06
不動産業界の「闇」について、お話ししようと考えているとあまりにお話しできることが沢山出てきて、自分でもちょっと引いてしまいました。そこで、順番にいろいろなお話をして行きますので、皆さんの今後のお役に立てていただければ…。今回お話しするのは、不動産の売却を依頼された方の関係するいわゆる売却の為の媒介契約を結んだあと、どのように仕事が進められているのか?についての話をします。
■媒介契約ってなに?
~不動産を売ろうとした場合、自分で広告・集客・営業などは現在の不動産市場では、ほとんど無理です。そこで、近隣の不動産業者に価格の査定から始まり、広告など全てをお任せして、売却してもらう為の「契約」をいいます。媒介契約には、3種類ありお客様の考え方などで選ぶ事が出来ます。3種類の媒介契約ってどう違うのか?
~専属専任媒介契約と専任媒介契約は、内容がとても似ています。基本的に、お願いした不動産業者を経由した取引が大原則となりお願いした後に、自分の友人が買いたいという話がきても不動産業者に仲介手数料を支払わなければいけない様な関係になります。(専任媒介の場合、例外はあります)
対して、一般媒介という契約形態は、依頼する方の自由度が高い契約形態で、複数の不動産業者に同時に依頼ができます。もちろん、自己発見したお客さんは、不動産業者に縛られる事なく、個人間での取引も可能です。
■どの媒介契約が一番有利なのか?
~ずばり、専属専任媒介か専任媒介です!何故かといいますと、一見「一般媒介契約」の方が自由度も高く沢山の業者に依頼できるのでとても有利に思えますが、実は違うんです!「一般媒介」という契約形態は、一般の方々から見えない落とし穴があります。どんな落とし穴か列記します。
①沢山の不動産業者に同時に依頼できる。
~確かに同時に数社の不動産業者に依頼は出来ますが、頼まれた不動産業者は、皆同じ媒介契約レベルの不動産業者になりますから物件が売れているのか、金額が変わっていないのか、週末は在宅なのか等の状況は全ての業者が直接問い合わせる他なく、売主さんの負担はとても大変です。下手をすると、同じ話をその都度依頼した業者さん分連絡しなければなりません。取り纏めや窓口になる業者がいませんので、そうなります。
②「一般媒介」以外の契約のやり方よりも広告効果がある?
~残念ながらこれも違います。今の不動産流通の仕組みでは、「一般媒介」以外の契約を結んだ場合、「不動産流通機構」というインターネットの物件サイトに3日~1週間程で登録が義務づけられています。このサイトは「全国宅地建物取引業協会」が主催する共同組合の運営による、不動産業者の為の物件サイトで、日本全国の物件に対応している、果てしなく大きな物件サイトです。
東京に居ながらにして、北海道の物件でも沖縄の物件でもスグに検索する事が可能です。ただ、実際の現場では遠く離れた事情も地理も分からない物件を紹介する方が面倒なので、そういった仕事をする業者は皆無ですね。このサイトは当然、全ての不動産業者が毎日のように新着の物件情報を閲覧していますので、サイトに登録された方が有利です。反対に、「一般媒介」の場合、このサイトへの登録義務はありません。
③「一般媒介」契約が不利なのは本当?
~残念ながら、本当です。不動産業者は、専属~や、専任媒介契約を結んでいる場合、どんな形でお客様が現れても、売主さんからは必ず「仲介手数料」がもらえます。 すると、広告もできます。営業経費も掛けられます。反面、「一般媒介」の場合は他社が契約を決めてしまっても分からない様な側面を持っている契約形態ですから、広告や経費などその物件のみの為には難しいです。つまり、積極的な販売活動をしても経費などを回収する見込みが立たない側面を持っているという事です。
いかがですか?では「一般媒介契約」のメリットって何があるのでしょう。積極的に販売活動がされていない恐れがある!不動産流通機構にも掲載されていないかもしれない!不動産業者を沢山頼むだけ、自分の負担が増える!
実際に、一般媒介で売りに出している方にお知らせしたい事があります。この形態で売却をしている方の売却時間は、とてつもなく長くかかっています。中には2年、3年なんて方が沢山います。そんな時間をこんな大変な思いをしながら進めている方がいるのは気の毒に思います。
ただ、ご自身に考えがあってやっている方もいるのでしょうが大変な労力と思います。一度お知り合いや、信用できる不動産業者さんに相談する事をお勧めします。
基本的に、不動産の売却の値段は自由です。相場が、3000万円のところを1億円で売り出してもOKなんです。ただ、そんな事をしても絶対にうれません。それは売主さんは、少しでも高く売りたいですよね。
しかし、買主さんは少しでも安く買いたいわけですね。この溝は、感情や思い入れや思い込みなどでは絶対に埋まりません。では、何故「一般媒介」で契約する業者がいるの?次回は、ここからお話を進めて行きます。
【「一般・専任・専属専任」媒介契約記事まとめリンク】
不動産売買の媒介契約について
「一般媒介」という契約形態の落とし穴
何故「一般媒介」で契約する業者がいるのか?
専属よりも専任媒介契約が選ばれる理由
不動産業界の「闇」についてのお話し その2
不動産業界の「闇」!
「不動産の売却」を成功させる賢い4つのポイント
今では自分で物件を売りに出せるウチコミ!売買REVOというサイトなどもあります。
有効に使って不動産物件の売却、購入をしてみてはいかがでしょうか?
この記事を書いた人
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