「不動産業にもいろいろあります」のお話し
ウチコミ!タイムズ編集部
2013/01/28
一口に不動産業と言いましてもいろいろあります。
例えば、賃貸専門の業者さんとか売買専門とか建売住宅を企画販売している業者さんとかある程度、まとまった大きさの土地を購入して綺麗に造成工事をして、分譲する業者さん中古住宅を専門で買い入れて、リノベーションして売る業者さんや裁判所の事件物件などを競売で仕入れて権利関係の整理やリフォーム等をして売る業者さん、大手不動産業者などから依頼を受けて土地を買ってまとまった大きさの土地をつくる業者さん等...。平たく言えば地上げ屋さん結構沢山の種類といいますか、業態も豊富なんです。
ごぞんじでした? それぞれの業態ごとに、当然 それなりのノウハウがあります。そんな中から今回は、 「地上げ屋さん」 についてご紹介しようと思います。
まず、彼らが何故必要か~
現在、日本の土地は 「所有者のいない土地」 はありません。国土も小さく、殆どが山と海で構成されて人が有効に活用できる平野部は、ほんの一握りしかありません。都市部に関して言えば、現状でほとんどの土地に誰かが住んでいます。それなのに、例えば 「六本木ヒルズ」 が出来たり「東京ミッドタウン」 が出来たり、トンデモナイ高さのタワーマンションが出来たり...。みんな 「地上げ」 の効果です。
簡単に言えば、 「仕入」 の様な仕事です。この業態が無いと、先ほど紹介したような施設は建てられません。そんな理由です。
次に、どんな利益があるのか~
普通に考えると、土地を買ってまとめて依頼者に渡す。なんか人件費だけがやたらかさんで、利益が出そうもなく感じてしまいますが、ちょっとした 「カラクリ」 があります。例えば、大きなタワービルを想像してください。大きな敷地で、さぞ買い取るのも大変だったと思うでしょう。確かに作業としては大変ですが、それなりに旨みもあるんです。
大きなタワービルでしたら、必ず大きな通りに面しています。その大通りに面した土地は、高額です。が、それ以外の土地は その大通りには面していません。と言う事は、値段は安くなるわけです。更に、中には 「キチンと道路に接していない土地」 や建替え等ができない土地...。この辺りは更に値段が安くなります。このあたりの事は、現地調査や不動産調査を進めればプロなら簡単に分かります。
極めつけは、「借地権」 が多く存在する場合。戦後のおおらかな日本でしたら、地主さんと借地人の関係も良好でしたが、現在は当時と比べても 「格段に地価が高騰して」 地主さんや借地人の方々も代替わりをして昔の様な良好な関係を持っている場所も、ほとんどありません。
と言う事は、悪い関係になってしまっている=話を持ちかけやすい。と言うような事の上に計画されます。結局、大通りに面した一部を正規の価格で購入しても他のほとんどの土地が、安く仕入れる事ができて完成すると、全部の土地が大通りの価格に変身!
それだけではありません。その土地が、大都市の良い場所ならそんな土地は願っても手に入るものではありませんからもっと高くなります。こんな裏があります。では、地上げをされている方が、これを知っていても値段交渉に上手に反映は難しいです。なぜなら、相手は百戦練磨のプロ!こちらは、素人の当事者...。
次回は、実際の地上げのノウハウや実例などをお話しします。何かに役立ちそうなお話しかと思います。
【地上げ屋さんの記事まとめリンク】
「地上げ屋さん」の仕事の話し
「地上げ屋さん」の仕事について まとめ
「地上げ屋さんの件の実際にあった事」
「地上げ屋さん」の事件についての検証
バブル期の六本木と今の地上げ屋の方法・違い
この記事を書いた人
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