月極駐車場の賃料と消費税増による値上げの可否
ウチコミ!タイムズ編集部
2014/11/17
賃貸住宅の居住用については、住宅の貸し付けに該当する為「非課税」とされています。消費税は、全ての取引が課税の対象になる訳ではありません。純粋に「土地の貸し付け」については、消費税の性格から課税の対象になじまず課税されません。
しかし、施設などの利用に伴い「土地が使われる」場合には、課税対象とされています。駐車場として「アスファルト舗装・砂利敷の整備等」を行っていたり「フェンスの構築」や「駐車区画の設置・整備」を行い使用させる場合は、消費税の課税対象になります。
但し、上記の様な整備を一切行わない「青空駐車場」の場合は、土地の貸し付けとして消費税の課税は行われません。
アパートやマンションの賃貸住宅に駐車場が付いている場合はどうか?以下の3項目の全ての条件を満たしていれば、駐車場付住宅として課税されません。
入居者1戸あたり1台以上づつの駐車場が確保されている事。
自動車を保有しているかの有無にかかわらず、全住戸に駐車場が割り当てられている事。
家賃収入を住宅部分と駐車場部分とに区別して収受していない事。
※現在、一般的に利用されている「契約形態」などは、家賃と駐車場の契約が別々にされて家賃と駐車場の賃料も別々で収受されています。この形態で行われていいる場合、上記で説明した通り「駐車場については課税対象」になります。消費税について、もう一度良く確認してください。
■大家さんが納税義務者だった場合は消費税を納める義務があります
大家さんが納税の義務があるかどうかは、大家さん個人の前々年の「課税対象の売上」が1000万円以上になっているかどうか。がポイントです。この1000万円の基準には、アパート・マンションなどの住宅の収入は非課税ですので全く影響を及ぼすことはありません。
但し、事務所や店舗・倉庫などの賃料売上が「1000万円/年」を超えてしまう場合、先ほどの基準を満たしていない駐車場も含めて、課税対象(消費税)となりますので、確認しておきましょう。
※駐車場で課税をされないようにするのは、住宅の家賃に駐車場を含む形態が考えられます。住宅の契約書にも合わせて、支払も同時にするようなイメージです。住宅の戸数よりも駐車場の数が足りないような場合は、課税対象外という見方は難しくなります。
もう1点、注意があります。消費税が増税された時の「増税分を借主さんに値上げ請求」する件については駐車場の契約書に下記の様な記載が必要になります。
「消費税の税率が変更されて場合、変更後の税率に変わります。」
「賃料が公租公課の変更等により増額した場合、賃料の増額を請求できる。」
という様な条文が、契約書に記載されていないと「消費税の増税に合わせた」増額の値上げ請求も出来ない場合があります。注意してください。又、賃貸契約書上の賃料の表示については、税抜表示で記載している場合であれば、増税分の値上げ請求も普通に出来ると思います。
つまり、上記の条件が1つも揃っていない場合は、増税分の請求が難しくなります。こんな場合の対応は、借主さんに相談して了解を貰いましょう。
その上で、後々の為に「合意書」などの文書を作成して取り交わしておきましょう。借主さんの了解さえ取れれば、これで解決できます。
これから「契約を交す」駐車場などの契約については、以上の注意を参考にして予め対応を取っていただく事をお勧めします。
駐車場の契約の更新などでも大事になってくるのは大家さんと借主さんの関係です。
大家さんと借主さんをつないでいくサイトがあります。ウチコミ!といいます。お部屋を貸したい大家さんとお部屋を借りたい借主さんがコミュニケーションを直接取ることが出来ます。
是非一度見てください。
この記事を書いた人
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