賃貸における家賃保証会社とは?連帯保証人や審査について
ウチコミ!タイムズ編集部
2014/11/07
前回の続きで「保証会社」の話になります。まず「保証会社」が何か? 何を、どの様に、保証するのか? から説明していきます。
【保証会社ってなんでしょうか?】
保証会社とは「家賃の保証」をしてくれる会社です。会社ごとに「一定の基準」を設けていて、借主さんの「勤め先、収入、家族構成など」を基に審査をして家賃の保証を「有料」で受けてくれるものです。保証内容は、会社によって細かい部分に差がありますが、基本的には大差ありません。
借主さんの家賃の支払いが遅れると、概ね3〜7日ほどで「保証会社」が大家さんの口座に家賃を振込んでくれます。 保証会社は、振込と同時に借主さんに「家賃の回収」を開始します。大家さんとしては、家賃滞納の心配から解放されます。そして滞納が続くような場合、契約解除や訴訟の費用なども保証されています。
但し、保証金額などに上限がある事と手続きの負担をどの位してくれるかは会社によって差があります。その他、退去時の残置物の処理費用、原状回復費用、などの保証が付いています。保証を受ける対象者には、連帯保証人を探すのが難しい「高齢者」なども対象になります。非常に合理的なシステムになっています。
この保証を受けるための「審査」は、クレジット会社のそれとは少し違います。金融機関の「ブラックリスト」とはあまり関係の無い所での審査がされています。
ですから、普通に定職(正社員のみでは無い)について収入がある事が確認出来れば、ほぼ審査は通るようにできているようです。 当然ですが、「無職」などは非常に厳しくなります。生活保護や高齢者世帯の場合、保護費や年金等がありますので、対応している会社もあります。保証会社ごとに「審査基準」は違うようですが、保証料の増額や近親者の連絡先などの情報追加で対応しています。幅広く、状況に応じて対応してくれますので相談してみましょう。
【保証会社はいい事ずくめ?】
先ほどまでお話ししました通り、大家さんは何の負担もありませんからいいかもしれませんが、借主さん側から見て行くと、当然ですが「初期費用」が増えてしまう事になります。
基本的に、借主さんが魅力的に思ってくれなければ、要するに借主さんが負担に思ってしまえば、機会損出になる可能性があります。ただ、借主さんが負担に思うかは「敷金や礼金」など他の費用の多寡も関係してきますので、一概には言えない部分もあります。
気を付けていただきたいのは、いくら保証会社と言っても「無制限」に補償してくれるわけでは無いという事です。滞納保証が最大で幾らまで保証されるのか、訴訟なら幾らまで保証してくれて他にはどんな事を手伝てくれるのか。 この辺りは会社によって違う部分が多いので「要確認」です。
そして、その限度を超えてしまった場合、自分でやらなければならなくなる事を覚えて置いて下さい。
一番気になるのが、現在、普通に借主さんが負担している保証料なんですが、今後どうなるか…。なぜかと言うと、この家賃保証のシステムで「誰が一番得をしているのか?」というところです。
通常「費用や対価の支払いを求められるのは、最大の受益者」つまり「一番得をしている人」です。その考え方からしますと、現在の家賃保証のシステムは…。
・借主さんの利益
連帯保証人が無くても賃貸住宅が借りられる。
・貸主さんの利益
家賃滞納があっても、家賃が保証される。
訴訟などの費用の保証がある。
退去時の原状回復の保証がある。
家賃の集金代行システムもある。
と、以上のようにある意味「大家さんの為の保険」にしか見えません。最終的のは「大家さん」が負担する事になる様な気がします。皆さんも第三者的な目線で上の項目を見て下さい。
借主さんが、なんで負担しているのか不思議に感じてしまいませんか?この様な事も踏まえて、総合的に判断してください。
基本的に、大家さんにとって「今までにない良い保険」である事は間違いないでしょう。
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この記事を書いた人
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