物件選びで注意したい「不動産仲介業者による誘導」とは?

営業マン

業者ごとに「まったく別のアドバイス」をしてくる!?

家には不思議な商品特性があります。まず、物件そのものについて「何となく明るいイメージ」「何となく暗い」「ドラマに出てきそうな吹き抜け」「エントランスの開放感」など、自分自身が感じるよいイメージや悪いイメージがあります。それは、「見た目」や「感性」と言ってもよいでしょう。そのような見た目や感性優先の物件選びを私は、「住み心地優先の選び方」と呼んでいます。

そもそも〝住めば都〟ということわざどおり、購入した家には愛着が湧きます。南西に窓があるといっても日当たりが本当によいのか・・・北東側に窓がなく通気性がなくて湿気がたまるということもあります。東南角地であるといっても敷地に面した道を通行人が往来し、プライバシーが保てないこともあります。そうなると、実際の住み心地という価値は低くなってしまいます。

南道路のほうがレースのカーテンを開けられず、北道路のほうが実際はリビングが明るいなんてことは、よくある話です。

そのようなことも含めたアドバイスが、本来、代理人である仲介業者には求められます。ところが、仲介業者は買ってもらえると都合のいい物件に、買主をただひたすら誘導するということも日常の出来事です。なぜなら利益が違うからです。それも、担当者からすれば、取っ払い(会社を通さない)の数百万円が担ボーとして入る可能性すらあるのです。

ですから、異なる業者がまったく真逆のアドバイスをするといったことが起こります。彼らが行っているのはアドバイスではなく、まさしく誘導です。

「優先順位」のつけ方が物件購入や賃貸物件選びの肝

たとえば、「敷延」といって、道路と接する部分が路地のようになり、一見あまり価値が高くない土地でも、隣家との離れ具合、日当たりの具合によっては意外と住み心地のいい家もあります(下記の図表参照)。

ただ、不動産は二つとして同じものがないと言われます。マンションの隣接する2部屋でも条件が変わります。

そこで、正確に現地を見るプロの目が必要となります。そして、何よりそのプロがあなたの味方である必要があるのです。ここが肝です。

どうですか? これから家を買う人は、その家を想像してみてください。すでに自己所有の家に住んでいるのであれば、その家の価値をどう感じているか、ちょっと考えてみてください。

実際は〝住めば都〟ということわざどおり、人間は順応性の高い生き物です。そして、自己所有物件には愛着が生まれたりしますので、どこを我慢してどこを優先するかの優先順位のつけ方が、物件購入や賃貸物件選びの肝になります。

本連載は、2012年9月10日刊行の書籍『不動産屋は笑顔のウラで何を考えているのか?』からの抜粋です。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

この記事のコラムニスト

大友健右
大友健右(株式会社総研ホールディングス代表取締役社長)
株式会社総研ホールディングス・株式会社ウチコミ・株式会社プロタイムズ総合研究所 代表取締役社長。1972年生まれ。大手マンション会社で営業手法のノウハウを学んだのち大手不動産建設会社に転職。東京エリアにおける統括部門長として多くの不動産関連会社と取引、不動産流通のオモテとウラを深く知る。
ウチコミ!創設者
大友健右は収益物件の個人間直接売買ができるプラットフォーム「ウチコミ!」の創設者です。