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イニシャルコスト

固定費としてのイニシャルコスト
もしかしたら「イニシャルコスト」と聞くと、ちょっと緊張する人がいるかもしれません。英語では「initial cost」、日本語では「初期費用」とも言います。
イニシャルコストとは、新しく事業を始めたり、新装備や新設備を導入したり、建物を新設する時など、稼働するまでの間に必要になる費用のことです。ビジネスからIT、技術開発から生活など、様々なジャンルで使われています。ビジネスにおいては、イニシャルコストは損益分岐点を考える場合の「固定費」となります。1日も早く利益を出すためには重要な要素と言えるでしょう。
建築に関して言えば、設計費用や建築費用など、建物が完成するまでにかかるコストがイニシャルコストです。家を建てる際に土地を購入するのであれば、土地の購入費もイニシャルコストに含まれます。土地を購入する際の仲介手数料、消費税なども考えなくてはなりませんが、不動産会社が直接保有している土地を購入する場合は仲介手数料はかかりませんし(ただし販売を別の会社が行っている場合は仲介手数料が発生します)、ちょっと特殊な形をした土地は値段が安いことも多いので、工夫次第でイニシャルコストを下げることもできます。とは言え不動産投資を始める場合は不動産投資ローン手数料・ローン保証料、火災保険料、印紙代、司法書士報酬、不動産取得税など、様々な諸経費がかかるので、一筋縄では行かないこともあります。
ちなみに新築で不動産を買う場合は、一説には購入額の4%~5%程度、中古で購入する場合は7%~8%程度の諸費用がかかると言われています。最近ではフルローン(頭金ゼロ)、オーバーローン(諸経費をローンで払う)もありますが、できる限り自己資金で支払っておきたいものです。
ランニングコストも忘れずに
一方、完成後の維持・管理費用のことはランニングコストと言います。不動産投資の世界では、ランニングコストには次のようなものがあります。

①税金(固定資産税、都市計画税、所得税)
②管理費(入居者に関する費用、建物に関する費用)
③修繕費
④水道光熱費(共用部)
⑤法人化している場合は法人税などの費用
⑥除雪に関する費用(寒冷地の場合)

なお、イニシャルコストとランニングコストを合わせたものをライフサイクルコストと呼びます。対象物件の取得、売却、解体まで、すべての費用が勘案されます。一般的に不動産は長期的な運用をするものなので、総支出に注目すべきだと言われています。

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