電線埋設

電柱か無電柱か
普段目にする町並みには、風景の一部として当然のように電線が張り巡らされています。ところが日本以外の先進国では、電柱がポコポコ建っている光景は見られません。これは、電線を埋設(地中化)しているからです。ロンドンやパリでは電線の地中化率は100%となっています。
各国の電線事情
日本で張り巡らされているような電線は「架空線」と呼ばれます。なぜ、日本では架空線が主流になったのでしょうか。
ロンドンでは19世紀の産業革命期、夜間の防犯対策が深刻な問題となりました。産業革命によって都市内に工場が集まり、労働者が急速に集中したからです。この頃、電気は架空線を使っていましたが、ガス管は地中化されていました。夜の治安のためには照明が必要です。照明にはガス灯と電灯がありましたが、街灯を普及させる際、地中化されていたガスと設置費用を公平にするため、架空線は禁止されたのです。 アメリカでは事情が異なり、かつてニューヨークでは架空線を使用していましたが、裸線だったために感電事故が相次ぎました。そのため行政主導で地中化が進みました。
日本の場合も明治時代から架空線が普及し始めましたが、日本では被覆技術が進歩したため、感電事故はあまり起こりませんでした。そして敗戦により大都市が焼け野原になると、復興のために廉価な電力の需要が高まります。電線の地中化には莫大なコストがかかるため、敗戦国となった日本には地中化する余裕はありませんでした。こうして日本では架空線が主流となったのです。
電線埋設を推し進める東京都
電線を埋設すれば、電柱が消えることで交通が円滑になり、景観もスッキリします。しかし、地中化には土木工事の費用だけでも1km当たり約3.5億円かかるため、日本ではなかなか地中化は進みませんでした。
ただ、地中化を推し進める動きもあります。東京都では「東京都無電柱化推進計画」を進めており、2018年2月9日には今後10年で重点整備地域を「おおむね山手通りの内側」から「環状7号の内側」にまで拡大する素案をまとめ、環7の内側すべての対象都道で整備に着手するという目標を掲げました。他にも整備コストを10年後に3分の1削減する目標を打ち出したり、街づくりで無電柱化に取り組めば容積率を優遇するなど、事業者に無電柱化を促す政策も進めていく予定です。
何年先になるかわかりませんが、東京の空から電柱が消える日が来るのかもしれません。
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