全熱交換器

熱を排気から吸気に回収する
オフィス、工場、病院、住まいなどの空調においては、それぞれに合ったきめ細かな設計・施工・管理が必要になります。空調には様々なテクノロジーが用いられますが、今回は全熱交換器についてご紹介します。
全熱交換器とは、換気によって失われる空調エネルギーの全熱(顕熱と潜熱。顕熱は電灯などから放出される乾いた熱、潜熱はお風呂の湯気のように湿気を含んだ熱)を交換・回収する省エネルギー装置のことです。全熱交換器は、戸建て住宅・学校・工場・病院・役所・集合住宅・オフィスビルなど、幅広い建造物で使用されています。
全熱交換器を使うと、室内から排気される空気内の熱と湿気が給気される空気に戻されます。例えば外気が0℃、室内が20℃の場合、0℃の外気を室内に取り入れて暖房を行おうとすると大きなエネルギーが必要になります。しかし、全熱交換器を使うと熱交換率は70~90%。熱交換率70%の全熱交換器を使えば、0℃の外気は14℃になって室内に入ってきます。逆に20℃の室内の空気は熱交換により6℃になって外に排出されます。このように全熱交換では換気の際に熱のロスが少なくなるので、省エネに有効な設備なのです。
全熱式と顕熱式
全熱式はすべての熱(温度と湿気)を交換するので室内の快適な状態をキープする能力に優れ、高温多湿の地域で用いるのに向いています。一方、顕熱式の交換器もあります。顕熱式の場合は温度のみが交換され、湿気は室外へ排出されます。このため、顕熱式は寒冷地や涼しい地域に向いています。また、一般的に全熱交換器には湿気と一緒に臭いが逆流してしまう可能性があります。このためトイレや浴室では局所換気が必要になるのですが、顕熱式の場合は臭いを戻さず室内の臭いを排気するので、室内でペットを飼う場合などにも有効です。
全熱交換器のデメリット
全熱交換器には回転型と静止型の区別があり、付加された機能も製品によって様々です。例えば外気清浄機能が備わっている全熱交換器では花粉や粉塵、虫などをフィルターによってキャッチできるものがあります。フィルター交換も可能なので常に機能を維持することができます。また、全熱交換器では臭いも戻してしまうと先述しましたが、最近ではイオン交換樹脂を吸湿材として使用して臭気移行を防ぐものもあります。
全熱交換器を導入するには費用がかかり、光熱費も気になるところ。しかし、エアコンに必要な電気代は確実に節約できます。長い目で見れば、24時間快適な室温を保てる全熱交換器の導入は一般家庭でも一考に値するでしょう。
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