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住宅インスペクション

専門家である住宅診断士が、住宅の劣化状況や欠陥部分があるかないかなどについて判断し、改修するべき部分や改修時期などを第三者の立場から提案することです。住宅診断、ホームインスペクションなどともいいいます。

住宅インスペクション診断項目
住宅診断士が住宅を診断するのは、たとえば次のような箇所です。
[室外]基礎、外壁、屋根、軒裏、雨どい、バルコニー、外階段
[室内]壁、柱、梁、床、天井、階段、ドア、雨戸、天井裏、床下
[設備]給水、給湯、排水、喚起、火災報知機
基礎や外壁、屋根などであれば、激しいひび割れや剥がれ、腐食はないか、室内であれば、ひび割れや腐食、きしみはないかなどを一つひとつ丁寧に診断していきます。
既存住宅インスペクション
既存住宅とはいわゆる中古住宅のことで、既存住宅インスペクションとは中古住宅を売買するにあたり住宅診断を行うことです。
消費者が中古住宅を購入する場合、経年劣化の状況や品質などに不安を感じることが多くあります。そのため、既存住宅インスペクションの必要性もニーズも高まっています。しかし、一言に住宅を診断するといっても、さまざまな診断方法があり、また診断を行う事業者や診断士の技術力や検査基準に差が出てしまうことも否めません。
そこで国土交通省では、既存住宅インスペクションのガイドラインを作成しています。
住宅診断士
ホームインスペクターともいい、住宅の劣化状況や欠陥部分があるかないかなどの判断を目視でチェックし、改修箇所や改修時期、改修にかかる費用などを提案する専門家です。
平成21年から内閣府認証NPO法人 日本ホームインスペクターズ協会が、資格試験を実施しています。この試験に合格した者が公認ホームインスペクターとして住宅の診断にあたっています。
欠陥住宅
建築基準法を満たしていない住宅や設計図通りに施工されていない住宅のことです。安全性を欠いた住宅であるため、入居者にとっては大きなストレスを抱えることになってしまいます。
欠陥住宅を購入してしまわないためにも、正しい住宅インスペクションが行われた住宅であることが重要です。
住宅瑕疵担保責任保険
新築した住宅に欠陥(=瑕疵)があった場合、欠陥部分の補修を行うことになります。住宅瑕疵担保責任保険は、その補修を行った業者に保険金が支払われる制度です。つまり、保険に加入するのは施主ではなく、建設業者やリフォーム業者となります。
消費者は住宅を新築しようとする際、あるいはリフォームしようとする際、契約する業者が住宅瑕疵担保責任保険に加入しているかどうか、あらかじめ確認しておくことがトラブルを回避するポイントとなります。

住宅インスペクションのタイミング

まだ歴史が浅い住宅インスペクション
住宅インスペクションは住宅診断、ホームインスペクションとも呼ばれます。住宅診断士が住宅の劣化状況や欠陥のあるなしを診断し、改修するべき部分などを提案してくれるもので、住宅診断士は内閣府認証NPO法人日本ホームインスペクターズ協会の資格試験に合格しています。ただし、日本では住宅インスペクションの歴史はまだ日が浅いため、建築士のような国家資格を持った人や住宅メンテナンス診断士(メンテナンスの専門家)などが行う場合もあります。つまり統一基準は設けられていないので、実績等で判断して信頼の置ける診断士に依頼する必要があるでしょう。
ベストタイミング・ベストインスペクション
住宅インスペクションを実施するには適したタイミングがあります。
  1. 新築住宅を購入するとき
    住宅インスペクションは中古住宅を買うときに行うことが大半ですが、実は新築マンションや建売住宅を購入するときも、契約を取り交わす前や建築中、あるいは内覧会(竣工検査)で行うと効果大です。購入前に物件の状態を確かめたり、契約内容通りの施工がなされていなければ売主に修理してもらうことができます。
  2. 中古住宅を購入するとき
    中古住宅を購入するときは、契約を結ぶ前に住宅インスペクションを受けましょう。不具合のある中古住宅を一度購入してしまうと、瑕疵担保責任で売主が責任を取ってくれることもありますが、そうでない場合は大変面倒なことになります。購入前に不具合や欠陥が明らかになれば、売主に修理してもらったり、値引き交渉に持ち込むことができます。もちろん、購入をやめることも可能です。
  3. 建て替えかリフォームかを判断するとき
    中古住宅が難しいのは、見た目が悪いからと言って躯体まで傷んでいるとは限らず、逆に躯体が傷んでいるのに外見はそこそこ美観を保っている場合もあること。躯体が傷んでいれば建て替えが必要かもしれないし、リフォームで済む場合もあるかもしれません。しかし、ハウスメーカーやリフォーム業者の言うことを鵜呑みにはできない、かと言って自分で判断するのも難しい。住宅インスペクションを利用すれば、第三者の目で見た評価を参考に建て替えかリフォームかを判断することができます。
  4. 中古住宅を売るとき
    近年では、住宅を売りに出すときに売主が住宅インスペクションを依頼することが増えています。不動産業者に査定に出す前に実行しておけば、不具合を事前に修理することができ、売却後に瑕疵担保責任を問われる可能性が減らせます。事前に補修を行っておけば、不動産業者の査定にも好影響が期待できます。