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セントラル空調

1箇所に設けられた装置で全体の冷暖房を行う
セントラル空調とは、建物の1箇所に設けられた装置から各部屋に冷水や温湯を送る方式で行う冷暖房のことです。
これに対し、熱源を各フロアやエリアごとに分散して設置する方式を個別空調と言います。マンションなどでは室外機が部屋ごとに並んでいる光景をよく目にしますね。
一般的には空調方式が異なるのは建物の用途によります。例えば雑居ビルの場合は、各階ごと、あるいは部屋ごとに建物の使用時間帯が異なることが多く、1つの装置で冷暖房を賄うセントラル空調方式は向いていません。したがって、個別空調方式でエリアごとに空調を行うことになります。
一方、ビル全体がオフィスの場合は、始業・終業時間がほぼ同じなので、一括管理ができるセントラル空調の方が向いていると言えます。
空調方式には建物の規模も影響を与えます。1フロアーが300坪を超えるような大規模ビルで個別空調を採用すると空調設備をたくさん用意しなければならず、対応しきれない場合があります。そのため大規模ビルではほとんどがセントラル空調となっています。
「古いビルではセントラル空調が多く、近年建てられたオフィスビルであれば個別空調が多い」と説明されることもあります。これは空調方式によるメリット・デメリットが関わっています。
各方式のメリット・デメリット
セントラル空調のメリットには以下のようなものがあります。
  • 設備が1箇所に集中するのでスペースが節約できる
  • 湿度管理ができる。きちんと管理されていれば乾燥する時期でも快適に過ごせる
  • オフィスの場合、残業が少なければ電気代を抑えられる場合がある(コアタイムの空調費が共益費に含まれていることが多い)
個別空調のメリットには以下のようなものがあります。
  • 各フロアやエリアごとに温度調整ができる
  • いつでも自由に利用できるので、土日出社した場合もテナント側で空調管理が可能
  • 空調設備ごとに暖房、冷房が使えるので、オフィスでは暖房を使い、サーバールームでは冷房を使用するといった使い方ができる
逆に、セントラル空調のデメリットには以下のようなものがあります。
  • 各フロアやエリアごとに温度調整ができない
  • ビルで定められた空調時間外は空調が使えない
個別空調のデメリットには以下のとおりです。
  • 個別に設備を設置するため、室外機などを置くスペースが必要になる
つまり、残業や休日出社が多い会社には個別空調が向いているということになります。ただし、現在では各室で温度調整が可能なセントラル空調も存在します。