償却金

敷引きとも呼ばれる「返却されない金銭」
賃貸借契約関係の用語の一つに「償却金」があります。「償却」と言えば「減価償却費」を思い浮かべるかも知れません。「償却」は借金などをすっかり返すこと。この「償却金」とは、賃貸物件から退去するときに敷金や保証金から引かれて返却されない金銭のことです。物件の説明の際に「敷金償却1ヵ月分」といったように使われることがあります。償却金は「敷引き」と呼ばれることもあります。
「敷金や保証金から引かれて返却されない金銭」の実態には幅があります。例えば、「敷金償却1ヵ月分」の場合は契約段階で「1ヵ月分を退去時に無条件で払います」と約束していることになります(実際には契約時に預けているお金から引かれる)。この場合、部屋をどんなに綺麗に使っていたとしても、1ヵ月分のお金は返ってきません。逆に部屋の補修費が1ヵ月分の賃貸料で賄えない場合は、不足分を貸主が負担するか賃借人が負担するかは契約の内容や損傷の原因(賃借人の過失によるものかどうか)などによって違ってきます。
これは、敷引き・保証金制度ではなく敷金・礼金制度を採用している物件でも同じことで、契約時に「敷金1ヵ月分は賃借人に返却しない」という約束をすれば、条件は敷引きと似た性質を持つことになります。ただし、敷金として支払った場合は、原状回復費用に充当されるのが普通です。敷引きの場合は、礼金をゼロにする代わりに敷引き金に礼金を含めてしまう場合もあります。例えば、敷金(もしくは保証金)が家賃の8ヵ月分で、敷引きが4ヵ月分という場合は、敷引きに礼金まで含めていると考えられます。こうなると、敷引金が何に充当されたかはわかりづらくなります。
近年は敷金・礼金に移行が進む
一方、敷金・礼金制度を採用している場合は、敷金は原則として返却される保証金、礼金は家主への謝礼という理解が一般的です。家賃が支払えなくなったり、退去時に賃借人の過失による損傷がある場合などは敷金から費用が捻出されます。残金は返却されますし、短期間しか入居しなかった場合は全額が返ってくることもあり得ます。これに対して敷引金の場合は短期入居でも確実に一定額が引かれるシステムになっています。また、近年では何のために支払われるお金なのかを消費者が知りたがるようになり、曖昧さを持つ敷引き・保証金制度は徐々に敷金・礼金制度に取って代わられるようになってきています。
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