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不動産投資顧問業

実は正確な日本語訳がない「コンサルタント」
コンサルタントと言えば、企業などに対して解決策や改善策などをアドバイスする個人や法人のこと。経営コンサルタント、建設コンサルタント、ITコンサルタント、ガーデニングコンサルタントなど、相談に乗るジャンルは様々ですが、コンサルティングを専門に行う会社はコンサルティングファームとも呼ばれ、業務に携わる人には高度な専門的知識と経験が求められます。外資系のコンサルティングファームとしては、マッキンゼー・アンド・カンパニーなどが有名でしょうか。
一方で、コンサルティング業務には必ずしも資格などは必要ありません。相談事に応じたり助言を与えたりすることが業務の中核ですが、実は「コンサルティング」に対応する日本語もないことから、実態がわかりにくい職業とも言われています。コンサルティングに近い日本語と言えば「顧問業」でしょうか。実際には「コンサルタント顧問」「顧問コンサルティング」など、コンサルと顧問が一体になっていることもあります。
不動産投資の世界にも「不動産投資顧問業」と呼ばれる職種があります。今回は不動産投資顧問業についてご紹介します。
審査基準が厳しい「不動産投資顧問業」
不動産投資顧問業とは、投資家からの依頼によって不動産投資に関する助言をしたり、不動産取引の投資一任業務などを行う職業のこと。投資一任業務とは、投資家から投資判断を一任され、自由裁量で運用を代行するというものです。
不動産投資は多額の資金が動くもの。国土交通省では「不動産投資顧問業登録制度」を設けています。任意の登録制度ですが、登録する者には知識や経験などについて審査基準が設けられており、一定水準以上の者でなければ登録業者を名乗れないようになっています。顧客の信頼を得るためにはメリットが多い制度だと言えるでしょう。
総合不動産投資顧問業はさらにハードルが高い
不動産投資顧問業登録制度には「一般不動産投資顧問業」と「総合不動産投資顧問業」の2種類が登録されます。
まず、不動産投資顧問業者として認められるには不動産コンサルタントにならなければなりません。不動産コンサルタントになるには「不動産コンサルティング技能試験」に合格し、「不動産コンサルティング技能登録者」にならなければならないのですが、技能試験は単なる知識要件。不動産投資顧問業登録制度では、不動産コンサルティング技能試験合格などの他に1億円以上の不動産に関わる2年以上の業務経験などが要求されます。
一般不動産投資顧問業は助言のみを行う顧問業で、個人でも法人でも認定されることができます。総合不動産投資顧問業は一般不動産投資顧問業に加えて先に述べた投資一任業務までを行うもので、「宅地建物取引業免許を有する資本金1億円以上の法人のみ」といった様々な要件が設けられています。