建物上部の荷重を支える部材
梁(はり)という部材は最近の住宅では目にすることが少ないかもしれません。大抵の家では、梁は屋根裏に隠れているからです。 伝統的な木造建築の多くは軸組工法と呼ばれる技法で建てられています。これは、土台の上に柱を建て、梁や桁(けた)などで固定し、その上に屋根を乗せる工法です。建物上部の荷重を支えるために柱に架け渡される水平材が梁です。桁は垂木を受ける材のことで、梁とは直角に交わります。
梁は建物の水平短径方向(家の四方で幅が狭い方)に架けられます。古い農家や町家では、梁が剥き出しになって独特の味わいを出しているものも見られます。現代建築でもわざと梁が見える吹き抜け向けにしている家もあります。天井がないことで開放感が得られるというわけ寸法です。
様々な知恵が活かされた梁
木造住宅においては、梁にはアカマツ、カラマツ、米マツなどの他、構造用集成材が使われます。針葉樹であるマツは軽いので変形しにくく、加工しやすい材料です。集成材は細かい木を貼り合わせたものですが、狂いが生じにくく強度も高いことが知られています。
現代においては、梁は木材の他に鉄筋コンクリートや鉄骨でも作られます。鉄筋コンクリート造(RC造)では「ラーメン構造(ラーメンはドイツ語で額縁の意味)」と「壁式構造」がありますが、壁式構造の場合は柱と梁の代わりに耐力壁が建物の荷重を支えるため、梁があるのはラーメン構造の方です。ラーメン構造の柱と梁の中には耐震壁を組み込む場合もあり、高い強度を誇ると言われています。
梁のコンクリートの中には「主筋」「あばら筋」と呼ばれる鉄筋が入っています。梁には引張り力や圧縮力、曲げモーメントやせん断力といった力が加わることがあります。コンクリートは圧縮に強いが引張り力に弱く、鉄筋は圧縮には弱いが引張りには強いという特徴があります。より細かく見ていくと、曲げモーメントによって生じる引張り力(梁が曲がると伸びる側に引張り力が生じる)に抵抗するのが主筋、せん断力(互いに反対向きに働く、挟み切るような力)に抵抗して建物に粘りを持たせるのがあばら筋です。
鉄骨の梁によく使われるのはH形鋼だと言われます。H型鋼は断面が「H」の形になっている鉄骨で、特に「H」の平らな側からの荷重に対して強い構造になっています。H形鋼は建物だけでなく橋梁、船舶、高速道路、岸壁などにも使われています。形がよく似たものにI形鋼がありますが、H形鋼より板が厚いため、重量・剛性が大きくなります。他にもL形(山形鋼、アングル)やC形(「コ」の字に近い溝形鋼、チャンネル)といった形鋼が適材適所で用いられています。
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