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ブロック造

コンクリートブロックを鉄筋で補強する
建築構造の種類にはRC造、鉄筋造、プレキャストコンクリート造など様々な種類があります。ブロック造(ぶろっくぞう)もその一つです。石やれんが、コンクリートブロックなどを積み上げ、モルタルなどで補強した壁を作る工法をブロック造と呼びます。もっとも日本ではブロックのみを積み上げた建物は許可されておらず、必ず鉄筋を通すことになっています。このため一般にブロック造建築と言われるものは、正確には補強コンクリートブロック造建築、あるいは型枠コンクリートブロック造建築のことを指します。ブロックの強度によって建物には階数制限があり、最高で3階までしか建設できません。耐力壁も必要になるので、開口部の多い建物や大建築には不向きだとされています。ブロック造建築の大半を占める補強コンクリートブロック造建築では、建築基準法で1室の区画面積が60㎡以下と定められています。
ただし、ブロック造は耐火性・耐久性に優れており、断熱・防音の効果も良好。建設費も鉄筋コンクリートより安いので、住宅や倉庫といった小規模な建物にはよく採用されています。
外断熱を用いたブロック造
補強コンクリートブロック造建築では、空洞を成型したコンクリートブロックに鉄筋を挿入し、補強しながら積み上げていきます。コンクリートブロックと鉄筋が一体になっているのが特徴です。
型枠コンクリートブロック造建築ではH・L・Z・T型などのコンクリートブロックを組み立てて型枠を作り、中空部に鉄筋を通してからコンクリートを打ち込みます。
賃貸分野ではコンクリートブロック造(CB造)という用語があり、主に補強コンクリートブロック造建築のことを指すようです。ブロック造にはブロック自体が水分を含んでいるため防湿性に劣る、増改築が難しいといった弱点もありますが、京都にはブロック造建築を用いた商業施設(TIME’S)もあり、建築士の中には好んでブロック造を採用する人もいるようです。
北海道では昭和30~40年代に三角屋根のブロック住宅が多数建設されたと言います。当時は断熱材がなかったので、結露に悩まされることが多かったのだとか。しかし現在では断熱材の開発が進み、外断熱補強ブロック住宅が人気を集めているようです。外断熱を施したブロック造は木造よりコストがかかりますが、ブロックの高い耐久性と鉄筋による耐震性を備えた住宅になります。また、ブロックやコンクリートは不燃材料なので、万が一火災になったときも焼け落ちたり延焼することを防ぐことができます。