IP電話

かつては「家電」が主流だった
かつて電話と言えば固定電話が主流で、「家電(いえでん)」とも呼ばれていました。ほとんどの場合、使用場所に加入者線の引き込みが必要で、設置場所は電気通信事業者によって特定されます(そのため110番や119番通報を行うと位置がすぐにわかります)。番号は電話会社から割り当てられ、管轄外に移住すると番号が変わってしまうという弱点があります。
これに対し、IP電話はインターネットプロトコルという技術を利用して通話を行うサービスです。正式名称は「インターネットプロトコル電話」。IP電話は携帯電話でも固定電話でも利用でき、インターネットへの接続を行うプロバイダがその提供元となっています。一般的にIP電話は低料金で音声通話が可能なサービスとして知られており、スマートフォンではアプリの形で提供されるIP電話が複数存在します。
IP電話の仕組み
アナログ回線の固定電話は電話線で電話局とつながり、電話をかけると交換機が中継することで相手側に音声が届く仕組みになっています。通話開始から終了までは専用の伝送路が確保されるので、突然通話が切れたりすることはありません。一方、IP電話では音声データはアナログですが、VoIPゲートウェイと呼ばれる装置がこれをデジタル化します(音声パケット)。VoIPゲートウェイはインターネットを介して音声パケットを相手側のVoIPゲートウェイに届けます。そこで音声パケットはアナログ情報に置き換わり、電話機から音声となって聞こえるのです。IP電話ではテレビ電話サービスなども可能になります。ただし、インターネットは電話専用の回線ではないので、ネットワークが混雑して音質が下がることもあります。
IP電話には企業で使用されるIP-PBXというネットワーク機器もあります。IP-PBXはIP電話機を利用して内線通話・外線通話を中継するもので、ハードウェアで提供されるものとソフトウェアで提供されるものの2種類があります。
IP電話のメリット・デメリット
IP電話のメリットとしては、通話料が安い以外にも次のようなメリットがあります。
  • 携帯電話への通話、国際電話なども割安なことが多い
  • 距離に関係なく通話できる(固定電話は距離が遠いほど通話料金が高くなる)
  • 050から始まる固有の番号を取得でき、電話加入権などは必要ない
  • 基本料金はほぼ設定されていない
  • 提携プロバイダ間の通話料が無料である
  • 既存の電話と併用が可能
IP電話のデメリットには次のようなものがあります。
  • 電話回線を使う固定電話などに比べて音質が悪い
  • 警察や消防等の緊急電話にはかけられない
  • 停電時には使えない(黒電話は使える)
なお、固定電話網(PSTN)は交換機がすでに製造停止になっており、加入者が減った通信網の維持コストがかさむため、NTTは2024年にPSTNからIP網に切り替えることを決定しています(IP網に移行しても固定電話を使っているユーザー側での工事は不要で、電話機もそのまま使えます)。
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