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浴室フランジレス排水口

「汚れが集中するフランジを省く」という発想
浴室には排水口があります。排水口にはたいてい金属のフランジ(ここでは出っ張った円筒形の部品のこと)が使用されており、浴室の各所は強固な防水で守られています。しかし、気になるのは水垢や湯垢です。お風呂は毎日の疲れを癒やしてくれる場所なのに、汚れていたら嫌な気持ちになります。だから一生懸命掃除をするわけですが、常にきれいにしておかなければならないというのは結構なストレスです。中でもフランジ部分は水垢等が集中する場所として知られています。このため近年では「フランジレス排水口」が登場しています。汚れが集中するのであれば最初からなくしてしまえ、という発想でフランジを取り除いたのです。フランジレス排水口は浴室だけでなく、洗面カウンターなどでも採用されるようになっています。
水垢・湯垢の性質を知っておく
すぐにフランジレス排水口を採用できれば楽なのでしょうが、実際にはなかなかそうもいかないでしょう。ならばできる限り簡単にお風呂の汚れを落としたいものです。
白いうろこ状の硬い汚れは「水垢」です。水道水に含まれるカルシウムから生じる汚れで、アルカリ性の性質を持っています。水垢には酸性の洗剤が有効です。
ヌルヌルしていて次第に茶色くなる汚れは「湯垢」です。水道水中のマグネシウムと石けんの成分からできる汚れで、こちらは酸性。アルカリ性の洗剤で落とすことができます。
他にも浴槽の中の汚れとしては、石けんカス、皮脂汚れ、カビが挙げられます。石けんカスには酸性のものとアルカリ性のものの両方があり、皮脂汚れは酸性。カビに対しては塩素系の洗剤が有効です。つまりカビ以外の汚れは酸性かアルカリ性、クエン酸(弱酸性)や重曹(弱アルカリ性)などを使えば効率的に掃除ができます。ただしクエン酸は塩素系の洗剤と混ぜると有毒ガスが発生する、大理石には使えない、鉄製品には使わない方がいい(錆の原因になる)といった制限があるので、注意が必要です。
様々なフランジ
フランジと呼ばれる部品は排水口にだけ使われるものではありません。円筒形のパーツ、あるいは部材からはみ出すように出っ張った部分はフランジと総称されます。配管でパイプや弁などをつなぐ円盤や円筒の部品をフランジ継手、ねじ込み式フランジなどと呼びます。鉄道の車輪の縁には出っ張った部分がありますが、これは脱線を防ぐためのもの。この出っ張りもフランジと呼ばれます。さらに、建物の梁などに付けられた板状の部材もフランジ。それぞれのフランジに特に関連性はありませんが、ツバのような形をしている点では共通しています。