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短期賃貸借制度

短期賃貸借制度とは、抵当権が設定された物件において、建物は3年、土地は5年を超えない短期の賃借権については、期間満了までは抵当権者に対抗できるとしていた制度です。民法の改正により、平成16年3月31日をもって廃止されました。

短期賃貸借制度の廃止
短期賃貸借制度によって、借主が住む物件が競売にかけられた後も、期間満了までは住むことができるとされていました。しかし、実際には、競落人によって借主は直ちに物件の明け渡しを要求されるようなことがあり、抵当権の適正な競売手続きが進められているとはいえない状況でした。そこで、民法の改正によって短期賃貸借制度を廃止し、平成16年4月1日に建物明渡猶予制度が創設されました。
短期賃貸借制度では、競落人は賃貸権や敷金返還義務も承継していましたが、建物明渡猶予制度では、賃貸権や敷金返還義務は承継されないこととなりました。
ただし、平成16年4月1日よりも前に締結された短期賃貸借の場合は、改正後も短期賃貸借制度が適用されます。
建物明渡猶予制度
建物明渡猶予制度とは、抵当権が設定された賃貸借物件において抵当権が実行され、競売などがされた場合、借主は競落人が買い取った日から6カ月間は、その不動産を明け渡さなくてもよいという制度のことをいいます。
抵当権と抵当不動産
抵当権とは、家や土地を購入する際に銀行などからお金を借りるとき、その家や土地をローンの担保とする権利のことです。ローンが支払えなくなったときには、その家や土地を銀行などが取り上げることとなります。抵当不動産とは、抵当権が設定された不動産のことです。
競売
抵当権を設置した不動産などをローンを組んで購入した後に、ローンの支払いができなくなったような場合に、裁判所を通じてその不動産を競りにかけることをいいます。また、競売にかけられた物件の所有権を取得した人のことを競落人といいます。
短期賃貸マンション
短期賃貸制度や建物明渡猶予制度は、一般的な賃貸住宅を対象としています。一方で、一般的な賃貸住宅とホテルとの中間の役割を果たすのが、短期賃貸マンション、いわゆるウイークリーマンションやマンスリーマンションと呼ばれるものです。ウイークリーマンションやマンスリーマンションは、通常1週間から数カ月の滞在を目的として利用されることの方が多くあります。
こういった短期賃貸マンションは、一時的な使用を目的とするために借家とはならず、借地借家法は適用されないこととなります。
借地借家法
借地借家法とは、建物の所有を目的とする地上権と土地の賃貸借、建物の賃貸借について定めた法律です。