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続き和室
続き和室
2部屋を1部屋のように使える
旅行情報や建築物の事例などを検索していると、「二間続きの和室」「続き和室」などの表現に出合うことがあります。続き間型住宅と言えば、和室が2室以上の続き間を持つ住宅のことです。
和室とは日本独自の様式で、書院造りや書院造りを簡略化したもののこと。書院造りについては割愛しますが、旅館や温泉宿などには伝統的な書院造りを受け継いでいるものも多いので、イメージは掴みやすいでしょう。
和室は一般の住宅にはもちろん、アパートやマンションにも採用されていることがあります。「続き」と言われてもピンと来ないかもしれませんが、和室が2部屋以上並んでいる場合は大抵ふすまなどで仕切られています。洋室のドアとは異なり、ふすまなどは随時開放できて1部屋のように使えるので「続き和室」と呼ばれることがあるわけです。
マンションやアパート、旗竿地(はたざおち:竿のついた旗のように袋地から延びる細い敷地で道路に接する土地)に建っている戸建て物件などの場合は、部屋が「続き」であることが重要な意味を持つことがあります。建築基準法には有効採光面積が定められており、居室にはある程度の大きさの開口部(窓など)がなければなりません。しかし、マンションやアパートなどでは奥の部屋には開口部が設けられない場合があります。すると居室として認められず、納戸やフリールームといった扱いになってしまいます。
この場合、天窓や縁側を設けると言った対処法が考えられますが、特例として認められているのが「2室を1室と見なす」という方法です。条件は「随時開放できるふすまなどで仕切られている居室」であること。ふすまなどを開放すれば奥の部屋まで十分に光が届くので、片方の部屋に開口部があれば居室として認めるというわけです。
続き間は採光面でも有利
「続き」の部屋は和室だけではありません。先に述べたとおり、マンションなどでも続き部屋は採用されており、中でも多く見られるのはリビングと和室をふすまや障子で区切る設計です。ふすまなどを開放すればリビングが広く見え、夜は和室を寝室として使うこともできます。最近では和室をリフォームして洋室の続き間にした事例も散見されます。
先に有効採光面積について触れましたが、居室の開口部の有効採光面積(開口部の面積×採光補正係数)は「床面積の1/7以上なければならない」とされています。二間続きであれば、リビングに加えて和室も床面積として加えられるので、有効採光面積が広くなります。住人にとっては、より明るく開放的な部屋を獲得できる設計と言えるでしょう。