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賃料

賃料とは、賃貸借契約をした賃貸物件に対して借主が貸主に支払う費用のことです。

賃料と家賃
賃料とほぼ同じ意味で家賃という言葉がよく使われます。しかし、実は賃料と家賃は違う意味で、家賃は賃料のほか、管理費や共益費も含めた金額のことをいいます。また、水道光熱費を固定としている場合も家賃に含まれます。
家賃の相場
賃料や家賃の相場は、建物の築年数や面積、日当たり、階数、最寄り駅からの距離などさまざまな条件をもとに決められています。借主が賃貸物件を借りる際には、周辺の賃貸物件の賃料と比較することも必要です。ちなみに、周辺の賃貸物件と比較して明らかに賃料が安い物件もあります。これは、事故物件である可能性があります。事故物件とは、建物、あるいは室内で自殺や他殺などの死亡事故が発生した物件、あるいは目には見えないけれど心理的に不具合を感じる心理的瑕疵物件のことをいいます。管理会社や不動産会社は、事故物件を借主に告知する義務があります。
家賃と消費税
家賃は非課税扱いとなっており、消費税はかかりません。
借主に必要な家賃以外の費用
賃貸借契約をする際に必要となる費用には、仲介手数料、敷金、礼金などがあります。仲介手数料とは、賃貸物件の借主と貸主との間に入った不動産仲介業者に支払う費用のことです。仲介手数料は上限を賃料の1カ月分(税別)と定められています。敷金とは、借主が居住している間に傷めた壁や畳、フローリングなどの修繕費をあらかじめ貸主に預けておくお金です。あるいは、家賃を支払えなかった場合の担保金ともなります。礼金とは、借主が貸主に支払うお礼のお金です。敷金や礼金の相場は、それぞれ賃料の1〜2カ月分としているところが多くあります。しかし、最近では仲介手数料、敷金、礼金を不要とする物件も増えています。これら仲介手数料、敷金、礼金に加え、賃料、管理費や共益費などを含め、借主が貸主や不動産仲介業者に支払うすべての費用を実質賃料といいます。
賃貸物件の更新
一般的な賃貸借契約の場合、多くが賃貸契約をする際に契約満了の期限を決められています。契約期間は1年以上で設定され、2年を契約期間としているところが多くあります。契約期間の満了が近づくと、借主と貸主との合意で契約の更新をすることができます。契約を更新する場合、多くの物件で更新料が必要となります。更新料は賃料の1カ月分としている物件が多いようです。

賃料の豆知識

賃料と家賃は別物
世間では「賃料」と言ったり「家賃」と言ったりするので、両者は同じものだと認識されているところもありますが、厳密には別物です。賃料に管理費や共益費を含めたものが家賃。家賃は非課税扱いなので、消費税もかかりません。賃貸暮らしをしたことがある人なら、日々の出費には消費税がかかっていたのに、家賃はそうではなかったと気づくでしょう。
家賃は値下げ交渉が可能
家賃には意外と知られていない特徴があります。その一つが、「家賃は値下げ交渉ができる」というものです。意外に思うかも知れませんが、どんな物件であっても値下げ交渉は可能。ただし、必ずしも値下げが可能とは限りません。一般的には、大家さんが年配者であれば値下げ交渉は難しく、若い世代の場合は柔軟に応じると言われています。若い世代ほど合理的な判断をするからです。漫画『インベスターZ』などの著作で有名な三田紀房氏の公式サイトには次のような事例が載っています。
《たとえ、6世帯すべての家賃を5,000円値下げしても、先ほど計算したように年間の損失は36万円。
一方で、もしこの賃貸物件が家賃10万円だったとしたら、4ヶ月入居者が決まらなければ「10万円×4ヶ月=40万円」の減収となります。
そう考えると、例え全世帯の家賃を下げたとしても、4万円分の損失を軽減できるため、早めに入居者が決まるのなら損はしない、という考え方になるわけです。》
もちろん、大家さんは全世帯の家賃を下げる必要もありません。一部屋だけ値下げしてしまうと他の部屋の住人から文句が出そうですが、見ず知らずの他人同士が仲良くなり、互いの家賃のことまで話すというのは稀でしょう。
「値下げ交渉可能なら、不動産会社の営業マンはなぜ言わないのか」と思われるでしょうが、交渉が失敗すると借主からクレームを入れられてしまう場合があります。営業マンはリスクを冒せないので、値下げ交渉は借主側から申し入れる必要があるのです。『三田紀房公式サイト』では、物件見学をしているときに「値下げしてくれるなら契約するんですけど……」と営業マンに打診したり、大家さんと仲の良い営業マンに値下げ交渉を依頼するテクニックを紹介しています。
賃料発生日とは
賃貸の契約期間が始まる日を賃料発生日と言います。この日から家賃が発生するので、入居日が先の場合は大家さんと交渉する必要が出て来ます(大抵は間に入る営業マンが交渉することになります)。特にすぐに入居できる物件の場合は即座に家賃が発生するのが一般的です。春の新入生などの場合は、入居時期を希望通りに決められることも多いのですが、現入居者がいて部屋そのものは内見できないことがあります。室内を見て決めたい場合は、ある程度の賃料は必要経費と割り切った方が良いでしょう。