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サブリース

サブリースとは、又貸し、転貸という意味です。不動産業界では、賃貸物件のオーナーから不動産会社が物件を一括して借り上げて、転貸する賃貸システムのことをいいます。

転貸借
転貸借とは、物件の借主が、借りている物件を第三者に又貸しすることをいいます。そのため、第三者となる入居者と貸主との間には賃貸借契約は発生しません。借主と入居者との間で賃貸借契約が発生します。
マスターリース
サブリースとは、正確には、物件を借り上げた不動産会社と居住者やテナントなどとの間の契約をさしています。一方で、賃貸物件のオーナーとその物件を借り上げる不動産会社との間の契約をマスターリースといいます。
サブリース契約のオーナー側のメリット
不動産会社がオーナーの物件を一括して借り上げるため、空室があったとしても比較的一定の額が収入として入ってくることが大きな特徴です。また、物件の管理、居住者とのやりとりやトラブルなどにも不動産会社が対応します。不動産会社が一括して管理するとはいえ、オーナーは、賃貸物件のオーナーであることに変わりはないため、オーナー自身も管理状況や経営状態、賃料の変動などについては常に把握するべきです。
空室保証
サブリース契約についていることがあるサービスのひとつです。サブリース契約をした賃貸物件に空室があっても、一定額の賃料をオーナーが受け取ることができるものです。家賃保証ともいいます。
空き家
近年、空き家の戸数が増加していることが問題となっています。総務省の平成25年住宅・土地統計調査によると、平成25年の空き家は全国で820万戸、空き家率は13.5%となっています。過去の空き家率と比較すると、平成5年が9.5%、平成10年が11.5%となっており、年々増加していることが分かります。
なかでも、賃貸用の住宅の空き家が最も多く、全国で429万戸余りで、そのうち共同住宅は370万戸余りとなっています。
空き家率が増加するとともに、その対策の重要性も増しているといわれています。
サブリース会社
サブリース契約を行う不動産会社は数多くあります。会社によって対応エリアが決まっていたり、契約できる物件とできない物件があったり、またはサービスの内容も会社によって異なります。さらに、賃貸物件のオーナーとサブリース会社はビジネスパートナーとなります。そのため、賃貸物件のオーナーがサブリース契約で安定した収入を得たいと考える場合は、各社のサービス内容や特徴を比較検討することが重要です。

会社選びで成否が決まるサブリース

リスクを取らないサブリース会社に要注意!
物件のオーナー側にとって、サブリースの利点は「不動産会社と契約するだけで不動産投資物件の運営ができ、空室保証(家賃保証)で安定した収入が見込める」ということ。ただし正確には、サブリース=転賃借とは「物件の借主(この場合は不動産会社)が借りている物件を第三者に又貸しすること」を指します。つまり、貸主(オーナー)と入居者の間には賃貸借契約は発生しません。このため、オーナーとその物件を借り上げる不動産会社との間の契約はマスターリースと呼ばれます。
  1. マスターリースで貸主(オーナー)が借主(不動産会社)に貸す
  2. サブリースで借主が入居者やテナントに貸す
以上のような仕組みで成り立っているのが転賃借です。しかし実際にはマスターリースは転貸することを前提としていて、サブリースするためにマスターリースするので、全部ひっくるめてサブリース事業、サブリースと呼ばれるのです。ちょっとややこしいですね。しかし、サブリース事業に取り組むには、言葉一つにこだわるくらい用心深い方がいいかもしれません。サブリースではトラブルも多く、空き家が増えた昨今では社会問題化しつつあるからです。
サブリースは業者だけが儲かる?
まず、サブリースの多くは「サブリースで家賃を保証しますから、アパートを建てませんか」という売り文句でオーナー候補を探します。そしてアパート建築費を高めに設定する場合があるのです。実際のアパート運営をするのはサブリース会社ですから、初めから空室リスクを計算に盛り込むというわけです。
そしてよく問題になるのが空室保証です。「30年間家賃保証」などと謳われていますが、人口減少で家賃が下がっていく公算が高いのに、なぜそんなことが言えるのか。実際には契約書の中に小さい字で「2年ごとに見直しがあります」などと書かれているのです。それに気づかなかったオーナーさんがある時「家賃を下げます」と言われてトラブルになり、最悪の場合は管理契約を切られてしまう、といったことが現実に起きています。一部では「アパートを建てさせて最初の数年儲けさせたらOK、後は契約解除しても利益は出る」という手法を取る業者も出てきました。放り出されたオーナーは物件を維持できなくなり廃墟のような空き物件が増えて、それで「サブリースは業者だけが儲かる仕組み」などと言われているのです。
サブリースの恩恵を受けるには
しかし、サブリースのすべてが怪しげな業者によって行われているわけではありません。例えば地域密着型の不動産会社の中には、実に注意深くサブリースを行っているところもあります。ある会社では30年間保証などということは言わず、10年更新の契約にしています。そして建築費からではなく家賃収入で物件を運営するように心がけ、オーナーとも緊密に連携を取り、長い目で経営を安定させる。つまりお客様(オーナー)を持続的に儲けさせつつ、自分達もリスクを背負って利益を追求する、Win-Winな関係を目指しているのです。こういう会社を見つければ、最初からリスクも理解でき、サブリースの恩恵を十分に受けることができるでしょう。