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積算法

計算によって算出する賃料設定
賃貸経営において賃料設定は重要です。適切な賃料設定ができなければ入居者を集められなくなる可能性があります。
不動産の価値を決める評価方法には「不動産鑑定評価基準」があり、収益還元法が有名ですが、新規の賃料を求める方法としては「積算法」という計算法があります。
積算法は収益に注目した計算法です。積算法ではまず価格時点(不動産の価格の判定の基準日)における基礎価格を求め、期待利回りを乗じて出た額に必要経費等を足して算出します。
〈積算法の計算式〉
((土地 + 建築費用)× 期待する利回り + 年間の諸経費)÷ 12ヵ月 ÷ 戸数 = 賃貸料平均額
新規の賃貸物件ではなく、すでにある物件の場合も賃料を見直すことがあります。その場合は利回りから賃料を求めることができます。
〈利回り法の計算式〉
((土地 + 建築費用)× 継続賃料利回り + 価格時点における必要諸経費)÷ 12ヵ月 ÷ 戸数 = 賃貸料平均額
より実際的な賃料設定
積算法と利回り法は計算によって賃料を割り出しますが、その額が魅力的な賃料になるとは限りません。なぜなら賃貸物件の魅力は物件そのものの魅力や周辺環境、競合物件との比較によって判断されるからです。
競合物件の賃料を調査すれば、自分の物件の相場もわかります。利益や利回りを考慮した賃料より相場が高いか低いかで対応が変わります。
〈相場の方が高い場合〉
相場レベルまで賃料を上げることが可能。競合より少し下ぐらいの額が望ましい
〈相場の方が低い場合〉
付加価値を付けて物件の魅力をアップするか、賃料を下げる必要がある
もちろん、物件そのものの魅力や周辺環境を冷静に見極めることも必要です。建物の構造や間取り、築年数といったハード面から、2人でも住めるか、ペット可か、楽器が演奏できるかといったソフト面、敷金礼金はあるかといった金銭面、スーパーやコンビニまでの距離や治安など、できるだけ競合物件と比較した方が適切な賃料を決めやすくなります。
賃料引き下げは最後の手段
賃料収入が減ると不動産経営にダイレクトに響くので、賃料を下げるという選択肢は最後の手段と考えるべきです。物件を売却するときも賃料は重要な要素になります。競争力不足が判明したら、先にも述べたとおり物件の魅力を向上させる方法を考えましょう。
〈物件の魅力向上法の例〉
  • 敷金礼金などの割引やフリーレントを実行する
  • 競合と比較してあまりない設定を付加する(ウォシュレット、ペット可、女性専用など)