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設計住宅性能評価書

設計段階での住宅性能評価
アパートやマンションの一部屋ならともかく、住宅一軒の性能を知ろうとするとなかなか大変です。住宅の性能が通知表みたいに一目瞭然になっていれば、購入を検討する際に便利ですね。住宅性能評価書は、まさに物件の通知表と呼べるような書類です。
住宅性能表示制度は、住宅品確法(住宅の品質確保等に関する法律)の3本柱の一つとして2000年に始まりました。3本柱とは、住宅性能表示、10年間の瑕疵保証、紛争処理体制の3つ。いずれも住宅を安心して取得できる市場を形成するために作られたものです。
住宅性能評価書には設計住宅性能評価書と建設住宅性能評価書の2種類があります。このうち設計住宅性能評価書は住宅の設計図書の審査結果を表示したもので、新築住宅の設計が終わった時点で評価が行われます。
住宅性能評価では、以下の10分野32項目について1~3点の評価を与えます。

〈住宅性能表示の10分野〉
  1. 構造の安定
  2. 火災時の安全
  3. 劣化の軽減
  4. 維持管理・更新への配慮
  5. 温熱環境
  6. 空気環境
  7. 光・視環境
  8. 音環境
  9. 高齢者等への配慮
  10. 防犯対策
様々な性能が一目でわかる
性能評価書は発行する第三者機関によって書式が異なりますが、書いてある内容に変わりはありません(簡素化された評価書もあります)。
例えば住宅の耐震性を知りたければ、「構造の安定」の欄を見ればわかります。「構造の安定」では耐風等級や耐積雪等級も記載されていますし、基礎の構造についても、基礎の種類や形式などまで書かれています。
「火災時の安全」項目を見れば、耐火等級など、火災に対してどれだけ強いかを知ることができます。「劣化の軽減」では、どれくらい劣化対策が行われているかがわかります。
ちなみに建設住宅性能評価書が交付された住宅では、万一トラブルが起きても紛争処理機関に解決を委託することができます。個人で弁護士を雇うよりリーズナブルな費用で紛争に対処することができます。
住宅性能評価書は、建売の物件や分譲マンションなどに初めから付いている場合もありますし、新築する際に第三者機関に交付を依頼することもできます。ただし、建設住宅性能評価を受けるためには、先に設計住宅性能評価を受けておく必要があります。設計住宅性能評価は既存住宅(建設完了後1年以上が経過した住宅、または実際に人が住んだ住宅)には適用できないので、評価を受けるかどうかは建設計画段階で決めておかなければなりません。