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年金住宅融資

住宅ローンには「公的融資」もある
住宅ローンと言えば、フラット35が有名です。住宅ローンには公的融資と民間融資があります。フラット35は固定低金利が特徴のローンですが、実は公的融資(住宅金融支援機構)と民間融資の中間に位置する「協調融資」と呼ばれる仕組みになっています。
民間融資としては銀行や生命保険会社などが様々な商品を提供しています。公的融資には財形融資や自治体融資などがあります。財形融資は、勤務先で財形貯蓄を1年以上行い、かつ残高が50万円以上ある人が利用できるローン。財形貯蓄額の10倍、最高4000万円まで借り入れることができます。自治体融資は自治体によって異なり、制度がない自治体もあります。近年ではマイナス金利の影響で自治体融資は下火になっているのだとか。しかし以前は公的融資が広く利用されており、2大公的融資として住宅金融公庫と年金住宅融資が有名でした。これらは行政改革の一環としてバブル崩壊後に廃止になっています。今回は年金住宅融資についてご紹介します。
廃止された「年金住宅融資」とは
年金住宅融資は国民年金や厚生年金に通算で3年以上加入していた人が利用することができた公的融資です。融資母体は年金資金運用基金。借入の申込受付は2005年1月31日に終了しています。住宅建築、新築・中古住宅購入、リフォームなど融資対象となっていました。他の特徴は以下のとおりです。

・融資金利=固定金利(全期間同一金利型と段階金利型の選択制)
・返済期間=最長35年(住宅構造等による)
・返済方法=元利均等返済、元金均等返済

なお、2006年4月以降は独立行政法人・福祉医療機構が年金住宅融資の債権を管理・回収しています。
年金住宅融資廃止の背景
年金住宅融資廃止の背景となったのは「公的年金流用問題」です。当時も年金保険料は公的年金制度によって集められていたのですが、実は本来の年金給付以外の用途に安易に使われているのでは、と話題になったのです。2004年には新聞報道や国会で問題視され、同年の年金制度改正時に厳しく批判されました。計画性のない事業で経営不振となった「グリーンピア」も年金保養施設でした。他にも職員宿舎の整備費用や社会保険庁長官の交際費などに流用されていたり、国民年金の保険料徴収に必要とされた金銭登録機を巡る汚職事件が起きるなど、様々な問題が噴出。結果、年金住宅融資事業もグリーンピア事業と併せて廃止となったのです。その後、厚生年金・国民年金の積立金は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)によって管理・運用されるようになりました。