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マネーローンダリング

名前の由来はアル・カポネ
マネーローンダリング、あるいはマネーロンダリングとは「資金洗浄」のことです。世の中には麻薬取引で得たお金、粉飾決算で得たお金、脱税によって得たお金など、「汚れたお金」が存在します。要するに「非合法に獲得したお金」。これを「きれいなお金」にする、つまり合法的に稼いだように見せかける行為がマネーローンダリングと呼ばれます。英語だと「Money laundering」となり、「launder」とは「洗濯する」という意味。だから「資金洗浄」と訳されるのですが、これはアメリカのギャングであったアル・カポネがコインランドリーをマネーローンダリングに利用したことに由来します。
先にも述べたとおり、マネーローンダリングのキモは非合法に得たお金を合法的な収入に見せかけること。アル・カポネの場合はコインランドリーをいくつも買い上げました。コインランドリーには多くの匿名の現金が集まるので、そこに汚れたお金(密造酒の収益等)をまぎれ込ませたのです。汚れたお金は匿名の現金と混ざって「表のお金」になりました。
今日では反社会勢力はマネーローンダリングのために「表の顔」を持つことが多いと言われており、組織的な犯罪のみならずテロリズムを助長する行為としても厳しい監視の目が向けられるようになっています。
マネロンを取り締まるための様々な取り組み
マネーローンダリングは捜査機関による差し押さえや摘発などを逃れるために行われるものであり、当然ながら法律で禁止されています。金融庁のサイトでは麻薬譲渡人が取得した代金をあたかも正当な商品を譲渡した代金であるかのように装うため売買契約書を作成したり、借入金や預り金等を装って書類を作成する例が紹介されています。
特に麻薬汚染は国際社会でも長く問題になっていることから、1988年の麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に関する国際連合条約を初めとして様々な取り組みがなされています。1989年にはマネーローンダリング対策の国際組織ファトフ(FATF)が設立されています。
日本ではマネーローンダリング対策として「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律(麻薬特例法)」、テロ資金供与防止のための「公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金の提供等の処罰に関する法律(テロ資金提供処罰法)」、「金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律(金融機関等本人確認法)」、「犯罪収益移転防止法」などが施行、改正されてきました。現金でのATM振込限度額が10万円に引き下げられたのは本人確認法が改正されたためです(2007年。現在では犯罪収益移転防止法に置き換わっています)。また、犯罪収益移転防止法では宅地建物取引業者にも取引における一定事項の確認が義務付けられています。
現在進行形のマネロン対策
日本ではIR(統合型リゾート)でカジノを誘致しようとしていますが、カジノはマネーローンダリングに利用されやすいと言われているため、早期対策が求められています。また、最近ではオンライン決済やスマホ決済が広がってきましたが、匿名性が高い取引はマネーローンダリングの温床となる恐れがあり、身元確認の徹底が必要です。