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外壁タイル張り

タイルはメンテナンスフリーの素材
タイルは無機質な材料なので、メンテナンスフリーであると言われています。無機質な材料には鉱物やガラス、金属等が含まれ、まったく劣化しないという特徴があります。石材や磁器材などから作られるタイルは、まさにメンテナンスフリーであり、耐久性、耐火性、耐水性のすべてにおいて優れた特性を備えています。ただし、劣化しないのはタイル部分だけ。タイルの目地を埋める素材や下地などは様々な材料から作られているので、メンテナンスの必要がなくなるわけではありません。しかし、塗装やサイディングによる外壁仕上げと比べると耐久性に優れることは間違いないので、多くのマンションで採用されているのです。
タイル張りのネックは値段です。外壁タイル張りを採用するとメンテナンス費用は非常に安価なのですが、施工には住宅1軒につき最低でも300万円ほどかかると言われます。このイニシャルコストがハードルとなり、一般住宅にはあまり普及していません。
マンションを長持ちさせるタイル
マンションの外壁仕上げによく使われる工法に「吹き付け塗装」があります。合成樹脂とモルタルなどを混ぜ合わせた素材を外壁に吹き付ける工法で、吹き付けタイルと呼ばれることもありますが、固まってもタイルになるわけではありません。
吹き付け塗装とタイル張りを比較すると、塗装は劣化して剥げたり割れたりするとコンクリートを守る力が低下します。コンクリートが劣化すると、中の鉄骨が錆びて膨張し、コンクリートを割ったり、爆裂を起こしたりします。これに対し、タイルは劣化することがありません。当然、コンクリートを守る力も優れていると言えます。
また、塗装の場合は10年に1度は塗り直しが必要で、多くの場合は大規模修繕工事で処理されます。イニシャルコストは比較的安いのですが、修繕費は高くなります。対してタイル張りでは高圧洗浄などのメンテナンスで事足りるので、修繕費は安価になります。耐久性が高いため、貼り替えが必要になることは滅多にありません。
ただし、施工不良があるとタイルも浮いてしまったり、剥がれたりすることがあります。高所からタイルが落下すると大変危険なので、2008年からは打診検査が義務付けられました。また、大地震が起こって下地のモルタルがエネルギーを吸収できないと、外部のタイルが剥がれたり破損したりすることがあります。このため近年ではクッション性を備えた弾性接着剤なども開発されています。