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競売物件

裁判所が処分する物件
競売物件とは競売にかけられる土地や住宅のこと。競売にかける主体は「裁判所」です。競売物件は債務を返済できなくなった人が所有していた物件を差し押さえて競売にかけ、その代金を債務の返済に当てるものなので、不動産取引としては特殊なものになります。ただし、競売物件は一般的な物件より3~5割ほど安くなると言われており、景気が低迷しているときなどは注目されます。最近では不動産会社のみならず、一般人が競売に参加することが増えているそうです。
競売物件と一般流通物件
居住用、もしくは投資目的のために不動産を購入する場合は「一般流通物件」を対象とするのが一般的です。通常、所有不動産を売却する場合は、仲介業者である不動産会社に依頼します。不動産会社との契約は専任媒介契約になっており、レインズ(REINS)と呼ばれる指定流通機構へ登録する義務があります。一般の個人でもWebサイト「レインズマーケットインフォメーション」を利用すれば土地の相場などを検索することができます。
競売物件は裁判所が扱い、一般流通物件は不動産会社などが扱うので、適用される法律も異なります。競売物件の処分は民事執行法、一般流通物件の場合は宅地建物取引業法が適用されます。
競売物件はデメリットも多い?
競売物件は差し押さえ物件ですが、先述したように安価に入手できるメリットもあります。競売物件は債権者への配当が主目的なので、購入する側には不利が生じる場合があります。このため一般流通物件に比べると低価格に設定されています。他にも入札を突破すれば手続きが比較的簡単、物件の種類や数が豊富、仲介手数料が不要なため諸経費が安くて済むことなどがメリットとして挙げられます。情報は「不動産競売物件情報サイト」などで閲覧できます。
一方、競売物件にはデメリットも多く存在します。まず、購入前に物件の内覧をすることはほぼ不可能であり、仲介者がいないので購入者は自分で情報収集せねばなりません。抵当権や根抵当権などが設定されていたり、権利関係が複雑になっている場合もあります。さらに、一般流通物件と違って競売物件には瑕疵担保責任がありません。つまり、隠れた欠陥が発見された場合は購入者が補修費などを負担しなければならなくなります。また、裁判所は所有権移転に必要な手続きは行ってくれますが、物件の引き渡しは行いません。もし元所有者が物件の引き渡しを拒否したら、購入者は強制執行手続きを行わねばならないかもしれません。
このように競売物件には価格面などでメリットがありますが、取り扱うには不動産知識や地道な調査などが必要とされ、リスクもあります。一般的には一般流通物件の方がメリットが多いと言えるでしょう。
(参考:Webサイト「ライフルホームズ」競売物件と流通物件の違い)