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プライムレート

プライムレート=最優遇貸出金利
プライムレートとは銀行が企業に対して融資するときに最優遇顧客である一流企業に対して適用される最優遇貸出金利のことを言います。最も信頼度の高い顧客に用いられる金利ですので、短期プライムレートは1.475%~1.725%(都市銀行)、長期プライムレートは0.95%(みずほ銀行)となっています(2019年7月10日、日本銀行)。
短期プライムレートは短期貸出(1年未満の期間の貸出)、長期プライムレートは長期貸出(1年以上の期間の貸出)に適用される金利のことです。短期プライムレートは各銀行が独自に決定し、長期プライムレートはみずほ銀行などが公表するもの。ただし、長期プライムレートに関しては日本銀行ではみずほ銀行のものを掲載しているので、長期プライムレート=みずほ銀行の長期プライムレートと理解しても差し支えないでしょう。
「一流企業の金利なんて不動産投資に関係あるの?」と思われるかもしれません。実際に中小企業には、信用リスクなどに応じてプライムレートに上乗せされた金利が適用されています。しかし、実はプライムレートが影響するのは企業融資だけではありません。短期プライムレートは不動産投資のローンにおける金利にも影響を及ぼすのです。
実はプライムレートと連動しているローン金利
ローンの金利には変動金利と固定金利があります。変動金利は返済中に定期的な金利見直しが行われ、固定金利はあらかじめ設定された金利が持続するものとなっています。
実は変動金利には「短期プライムレート連動型」と「長期プライムレート連動型」があります。短期型は短期プライムレートに連動し、日本銀行が決定する政策金利の影響を受けます。長期型は債券市場に敏感に反応します。
基本的に「長プラ」は変動が激しく「短プラ」に先行して動く一方、「短プラ」はほとんど変動しません。その代わり「短プラ」は「長プラ」に遅れて一気に動くことがあります。
「短プラ」が変動して金利が上がると、変動金利も上昇します。つまりローンの返済途中で毎月の返済額が増える場合があるということです。
ただし、変動金利が実際に変動するタイミングは半年に1回ですし、経済の混乱を避けるためにローン金利が一気に引き上げられることはあまりありません。また、「短プラ」は「長プラ」に遅れて変動するので、「長プラ」を見ていればある程度予測ができることもあります。
投資スタイルで変動金利のタイプを選ぶ
「短プラ」は利率が比較的安定していますがやや高く設定されています。このため転売などを狙った短期保有には「短期連動型」が向いていると言えるでしょう。
変動金利には「短期連動型」のものが多いのですが、「長期連動型」のものもあります。先にも述べたとおり、「長プラ」は変動が激しいのですが、「短プラ」よりも利率は低め。長期保有を考えている場合は「長期連動型」の方が有利な場合があります。