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ポートフォリオ

語源はイタリア語!
不動産投資に関心がある人であれば、ポートフォリオと言われれば「ああ、あれね」とすぐに思いつくものがあると思います。しかしこのポートフォリオ、実は業界によって異なる意味で使われている言葉でもあるのです。今回はポートフォリオにまつわるあれこれを紐解いてみます。
まず、ポートフォリオの語源から。ポートフォリオ(Portfolio)は英語ですが、語源はイタリア語のPortafoglio(ポルタフォリオ)です。ポルタフォリオは「紙幣を持ち歩く財布」を意味します。「Porta」は英語の「portable」に通じるので、普段から携帯しているものというニュアンスがあります。これがポートフォリオになると、「折りカバン」「紙ばさみ式の画集」「書類入れ」と言った意味になります。「書類を(綴じずに)運ぶケース」といったイメージです。
3つのジャンルで使われるポートフォリオ
日本語でポートフォリオという言葉を使うのは主に次の3つの業界です。

①金融・投資系
②クリエイター系
③教育系

金融・投資系のポートフォリオは投資家が保有している金融商品の一覧のこと。分散投資を目的とした金融資産の組み合わせをひと目でわかるようにしたものがポートフォリオです。よく「卵とカゴ」の例えで語られるのですが、複数の卵を1つのカゴに入れておくと、カゴを落とした時にすべての卵が割れてしまいます。これを防ぐには、1つずつ異なるカゴに卵を入れればいい。資産も1つの金融商品に投資するのではなく、様々なものに分散投資するのが安全ですね。保有資産のバランスが一覧できるポートフォリオは、様々な金融商品のバランスを取り、最適な組み合わせを探っていく上で大変役立ちます。
クリエイター系のポートフォリオとは、いわゆる「作品集」のことです。例えばDTPデザイナーであれば、自分でデザインした雑誌や書籍などのページをファイルなどに綴じておき、営業の時に提示します。Webデザイナーであっても、プリントアウトしたポートフォリオを用意しておき先方の企業などに渡した方が有利でしょう。こういったポートフォリオには、フリーランスのクリエイターが営業する場合だけでなく、会社が作成して配布する資料など、様々なものがあります。
最後に教育系です。教育の分野でポートフォリオと言えば、個人評価ツール=パーソナルポートフォリオのこと。このポートフォリオは生徒達が作成したレポートや活動記録などをファイルに入れて保存したものです。テストでは測れない、個人の能力に対する総合的な学習評価方法の1つとされています。
このように見てくると、ポートフォリオには「様々な要素を組み合わせてひとまとめにし、しかも自由に内容を編集することができるようにしたもの」という意味があることがわかるのではないかと思います。