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ピクチャーウィンドウ

風景を切り取る窓
窓の中には「はめ殺し窓」と呼ばれるものがあります。開閉できない窓のことを「はめ殺し」と形容するのですが、中でも窓を額縁に見立てて外の景色を絵画のように取り込む効果を目的としたはめ殺し窓のことをピクチャーウィンドウと言います(例外的に開閉可能なピクチャーウィンドウもあります)。
日本の庭園には昔から「借景」という造園技法があります。これは庭園の外にある山や森林などを庭園内の風景の背景として取り込む技法ですが、屋外の風景をどう切り取るか考える点でピクチャーウィンドウに通じるものがあります。

ピクチャーウィンドウはアイデア次第

屋外に面したピクチャーウィンドウは外の風景に左右されるので、土地を選ぶ段階から企画する場合も多いでしょう。眺望が素晴らしい敷地であれば、大きなピクチャーウィンドウを設けることで景色を独り占めするような楽しみが生まれます。例えば桜並木が家の近くにあれば、春にはいつでも桜を楽しむことができるでしょう。

外がいわゆる絶景であれば、リビングにピクチャーウィンドウを設ければ迫力のある風景を取り込むことできます。通常リビングは住まいの中で最も大きな空間なので、その壁をピクチャーウィンドウにすればパノラマのような眺望を得ることも可能です。

逆に小さなピクチャーウィンドウが効果的な眺望を与えてくれる場合もあります。プライバシーの観点からすれば、大きなピクチャーウィンドウは設置が難しいという側面もあるでしょう。ピクチャーウィンドウで多いのは、中庭に設けられる形です。ハウスメーカーによっては、ピクチャーウィンドウと中庭の組み合わせを得意としている場合もあります。ただし、中庭に設けるピクチャーウィンドウには防犯に注意が必要です。ピクチャーウィンドウは基本的に開閉しないので、泥棒は通常の開錠方法が使えず、大きな穴を空ける必要があります。どちらかと言えば、泥棒が敬遠する窓だと言えるでしょう。しかし、中庭には人目が届かないため、多少時間がかかっても犯行が可能になります。防犯フィルムやセンサーなどで防犯能力を強化する必要があるでしょう。

四方を塀などで囲まれた家ではピクチャーウィンドウの設置は難しくなります。しかし、例えば吹き抜けの天窓をピクチャーウィンドウにすれば、時間によって変化する空をいつでも楽しめるようになります。天窓は採光性を高めるので、一石二鳥です。

ピクチャーウィンドウは原則として開閉しないので、掃除が難しくなるといったデメリットもあります。ただし天窓の場合は、雨で汚れが落ちるような表面処理をすることでメンテナンスフリーにすることもできます。